削除の仮処分とは|インターネット上の名誉毀損記事を削除する
ネット上で名誉毀損、誹謗中傷の書き込みをされたら「仮処分」によって削除させることができます。裁判所を使った手続きで難…[続きを読む]
Caloo(カルー)には多くの医療機関に関する情報や口コミが寄せられているため、病院選びのために利用したことがあるという方も多いのではないでしょうか。
病院を探したい時にはとても便利なCalooですが、一方で誹謗中傷や悪口などの口コミによる被害に悩む経営者の方も少なくありません。
今回は、Calooにおける悪質な口コミに対する対処法をご紹介していきます。
Caloo(カルー)とは、「最適な医療機関で最適な治療を受けていただく」ことを目的とした病院の口コミ検索サイトです。
病院・クリニックの診療科目や専門外来、専門医の有無、医療内容、実績など様々な情報が記載されているほか、実際に診察を受けた人の口コミが多数紹介されています。
2021年3月現在で1日約27万人が利用しており、17万件以上もの病院情報が掲載されています。
近年、病院選びをする際にインターネットの口コミを基準にする方が非常に多く、口コミが多く集まるCalooは利用者にとってとても便利なサイトであると言えます。
一方で、悪質な口コミを投稿されてしまうことによって、評判の低下や患者数減少などの被害を受けている病院経営者が多いのも現状です。
Calooに投稿される誹謗中傷や悪口は、病院内の雰囲気や診療する医師の態度、診療内容に対するものだけではありません。
口コミのなかには、医師・看護師・受付スタッフなどに対するプライベートな情報や、根も葉もない噂話といった非常に悪質な口コミが投稿されることもあります。
このような口コミはなるべく削除したいと思いますよね。
Calooではこうした悪質な口コミを規制するため、口コミ投稿ガイドラインを設けています。
このガイドラインでは、以下のような口コミが禁止されています。
上記に該当し、このガイドラインに違反していると考えられる口コミであれば、運営側に報告することで削除してもらえる可能性があります。
では、実際どのような口コミが削除対象になるのでしょうか。
上記の項目に当てはめて確認してみましょう。
口コミ具体例 | 違反項目 |
---|---|
『親がこの病院に行ったけど、受付スタッフも看護師も態度がすごく悪かったらしい。院長先生、態度の悪いスタッフはやめさせてください。』 | 本人の体験に基づかない投稿・医療機関へのメッセージ |
『ここの病院は最低です』 | 参考になる情報が少ない投稿 |
『ここの病院へは絶対に行かないでください!!』 | 他者への強要など、主観の範疇を超える投稿 |
『薬代払ったのに全然効かない。ヤブ医者だろ金返せ』 | 過剰な批判、サイト上に掲載するにあたって不適切な表現を含む投稿 |
『ここの待合室で風邪を移されました。咳のひどい患者さんは他のところで待たせるべきなのに配慮のない病院です。』 | 具体的な根拠が示されない批判 |
『この病院の院長と○○っていう看護師は不倫してるらしいです。』 | 特定の医師・スタッフ個人への誹謗中傷・他者のプライバシーを侵害する投稿 |
上記のような口コミであれば、ガイドライン違反として削除してもらえる可能性が高いです。
一度ガイドラインを確認して、自分が削除したい投稿と照らし合わせてみましょう。
削除したい書き込みがガイドライン違反であることを確認したら、運営側に連絡して削除してもらいます。
Calooでは問い合わせに「口コミ削除ご相談フォーム」が用意されています。
ここに必要事項を記入して送信すれば完了です。
このフォームに記載する事項は、以下の通りです。
【自分に関すること】
【医療機関・病院に関すること】
【削除をご相談の口コミ】
【口コミに対する貴院のご意見】
ここで最も重要なのが、「事実や現状と異なると考える箇所と根拠」です。
Calooの口コミガイドラインを違反していることがわかるよう、「口コミの「〜〜」という部分がCaloo口コミガイドラインの『〜〜』に違反している」などと、具体的に理由を記入するよう心がけましょう。
また、このフォームでは1回の削除依頼で1件の口コミしか削除依頼することができません。
複数の口コミを削除したい場合には、送信後に表示される「他の口コミについて削除のご相談」に進んでください。
Calooの運営側に削除依頼を行なっても、必ずしも口コミが削除されるというわけではありません。
というのも、最終的な判断はCaloo側が行うので、Calooが「ガイドラインに違反していない」と判断すれば削除は行われないからです。
このように、任意で削除が行われない場合、法的に削除を行うことが必要になります。
しかし、一般人が法的に対処しようと思っても、法的な知識や複雑な手続きが必要なため困難が伴います。
そこで、弁護士に依頼することをおすすめします。
法的に削除する方法の1つとして、裁判所に仮処分命令を出してもらう方法があります。
「仮処分」では暫定的な判断で仮処分命令を出してくれるため、普通の訴訟よりも迅速に・低コストで投稿を削除することができるのです。
削除されない間は悪質な口コミがずっと公開されてしまうため、風評被害が広がって経営不振に繋がる恐れがあります。
仮処分を利用して、なるべく早く対処するようにしましょう。
詳しくは以下のページで解説しているので、ご参照ください。
せっかく弁護士に依頼して口コミ削除が完了したにも関わらず、なかなか被害が収まらないというケースも多々あります。
それは匿名で書き込めるが故に、繰り返し同じような投稿をするような人がいるからです。
何回も誹謗中傷の口コミが投稿されてしまうと、削除してもいたちごっこが続くことになってしまいます。
このような被害を回避するために、匿名の投稿者を特定して損害賠償請求を行うことも一つの手段です。
匿名相手の特定を行うには、「発信者情報開示請求」を行います。
これにより、相手の氏名や住所、電話番号などを入手するのです。
手続きの流れは、以下の通りです(なお、Calooから電話番号の開示を受けられた場合はもう少し簡略化できます)。
こうして投稿者が特定された際には、投稿者を特定するために要した弁護士費用や、悪質な口コミによって病院やクリニックが受けた被害に対する損害賠償金を請求することが可能になります。
詳しくは、以下のページをご覧ください。
最初の削除申請フォームで削除できればいいですが、法的な対処をしなければならなくなったときには弁護士費用が気になるところです。
最後に、弁護士費用について簡単にご紹介します。
投稿の削除・投稿者の特定において、一般的な弁護士費用の相場は次のとおりです。
【口コミ削除】
【投稿者の特定】
ただ、弁護士事務所によって費用や料金体系は大きく異なります。
そのため、弁護士への依頼を検討する場合は、どのくらいの費用が必要となるのか前もって見積もりを計算してもらうようにしましょう。
今回は、Calooで誹謗中傷などの口コミを投稿されてしまった場合の対処法をご紹介しました。
ネットトラブルはスピードが命と言われるように、少しの対応の遅れで大きく被害が拡大してしまうこともあります。
特にインターネットを使って病院探しをされる方が非常に多い現代では、悪質な口コミが病院の経営悪化を招いてしまうこともあります。
もし口コミによる被害に悩んでいるのであれば、無料相談などを活用して弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。