削除の仮処分とは|インターネット上の名誉毀損記事を削除する
ネット上で名誉毀損、誹謗中傷の書き込みをされたら「仮処分」によって削除させることができます。裁判所を使った手続きで難…[続きを読む]
「ホストラブ」という匿名掲示板サイトでは、多くの誹謗中傷が発生しています。
このサイトの書き込みで困っている方も多いのではないでしょうか。
今回は上記のような悩みを解決するために、ホスラブの記事削除請求や犯人を特定する方法を解説していきます。
目次
「ホストラブ(通称:ホスラブ)」(https://www.hostlove.com/)とは、2001年にオープンした夜業界のための情報交換サイトです。
ホストクラブ・水商売・風俗といったお水系全体を主に扱っており、業界全体の為のコミュニティーサイトとして月間200万人に利用されています。
地域ごと(※)に掲示板が分かれており、各地域に特化した情報交換ができることも特徴の1つです。
さらに、ホスラブ求人・ホスラブ小説・ホスラブニュース・ホスラブプロフ・ホスラブチャットなど、掲示板以外の機能も利用することができます。
※関東版、関西版、東北版、東海版、北陸/信越版、中国地方版、四国版、九州版、沖縄版など
ホストラブの悪質な書き込みに悩んでいる人の特徴としては、ホステス・キャバクラ嬢・風俗嬢・ホスト・水商売の経営者などが多いです。
特に「源氏名」で誹謗中傷が行われたり、特定の人にだけわかる書き方で名誉毀損やプライバシー侵害が行われたりしています。
また、ホストラブは店舗ごとにスレッドが立つため、ライバル業者による嫌がらせ目的で悪口が書き込まれることもあります。
実際に、掲示板の書き込みによって以下のような問題が起きています。
インターネット上の書き込みは拡散が早く、事実無根な書き込みがされると店舗の評判が落ちたり売上に影響が出たりする可能性があります。
そのため、被害が広がる前に書き込みの削除を行うことが大切です。
ホストラブの書き込みを消すには、専用の削除依頼フォームから通報を行います。
ここからは、削除の手順についてご紹介していきます。
まずは、通報する前にホストラブの「利用規約」を読みましょう。
というのも、運営側で定められている削除基準を満たしていないと、通報しても削除してもらえない可能性が高いからです。
通報するときは、利用規約違反を根拠に申請するようにしましょう。
【利用規約における禁止行為(一部抜粋)】
【利用規約:https://kanto.hostlove.com/agree/agree】
ホスラブでは、利用規約以外にも「削除依頼ガイドライン」を掲載しています。
ここでは削除の対象外となる書き込み例などが詳しく書かれています。
利用規約とこのガイドラインを照らし合わせて、ガイドライン違反の対象外とならないかを確認しておきましょう。
【削除依頼ガイドライン:https://kanto.hostlove.com/agree/delete/guid2】
利用規約を確認したら、削除依頼フォームを開きます。
このフォームに入力すべき内容は、下記のとおりです。
一番重要なのは「削除理由」の内容です。
書き込みのどの部分が利用規約やガイドラインのどこに違反しているのか、どんな被害が起きているのかなどを客観的にわかりやすく記載しましょう。
ホスラブで削除依頼をするときには、いくつかの注意点があります。
簡単に確認しておきましょう。
ホスラブで削除依頼すると、「削除依頼履歴」として削除申請文が公開されることになっています。
【削除依頼履歴:http://kanto.hostlove.com/agree/delete/list/1】
そのため、削除理由を詳しく説明するためにプライベートな内容をあまりにも細かく書いてしまうと、ネットに掲載され二次被害へと拡大する恐れがあります。
「個人情報にあたる」「営業妨害がされている」のように、簡潔明瞭な表現に留めるほうが良いでしょう。
また、「ホスラブ最悪!死ね!」「警察に訴えるぞ」というような感情的な表現は控えるようにしましょう。
ホストラブの削除依頼は、96時間(4日間)を目処に処理されています。
また、削除もボランティアで行われているため、申請をしたからといってすぐに削除されるわけではありません。
短時間に何度も削除申請をしてしまうと逆効果になるケースもあるようですので、96時間経つまでは気長に待つようにしましょう。
もし96時間待っても削除されない場合は、後述する法的な対処を試してみましょう。
ホストラブの削除は、基本的にレス単位の削除依頼となります。
もし、スレッドごと削除したい場合は「スレッド全体の削除をお願いします」という旨を削除理由に記載する必要があります。
ただ、スレッド全体を削除するべきかどうかは削除人の判断によるため、必ずしも削除されるわけではないことに注意してください。
ホスラブの削除申請はあくまでも、本人が行うか、弁護士に依頼してください。
弁護士以外の削除代行業者が行うと、弁護士法に違反する行為となります。
ホスラブでは、独自に違法サービスを行っている事業者を調査しているようです。
運営が違法だと判断した業者はサイトで事業者名などを公表すると宣言していますので、一度チェックしておいてもいいかもしれません。
先述しましたが、ホスラブに削除してもらうには利用規約やガイドラインに違反している必要があります。
これらに違反していないと判断されると、書き込みが削除されることはありません。
上記で説明してきた注意点も含めて、ホスラブでは「削除依頼ガイド」も公開されているので併せてご確認ください。
【削除依頼ガイド:https://kanto.hostlove.com/agree/delete/guid】
上記の方法で「自分で削除依頼したけど消してくれない!」という場合には法的に対処する必要があります。
法的な対処としては「削除の仮処分」を申し立てる方法があります。
裁判所に削除をするよう仮処分命令を出してもらうのです。
仮処分命令が出ることで、法的拘束力をもって書き込みの削除をすることができます。
詳しくは以下のページで説明していますので、ご参照ください。
また、こちらは任意削除を申請する方法ではありますが、書き込みによって侵害されている権利(プライバシー権や人格権等)に基づいて「送信防止措置請求」を行うという手もあります(プロバイダ責任制限法3条1項参照)。
ホスラブで誹謗中傷の書き込みがされたとき、投稿の削除を行うだけでなく、犯人を特定して損害賠償をしたいと考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこでご紹介するのが、「発信者情報開示請求」という制度です。
「発信者情報開示請求」では、プロバイダ責任制限法4条1項に基づき、書き込みをした人の個人情報を請求できます。
ホスラブの場合は登録をせずとも利用できてしまうため、ホスラブ自体が書き込み主の氏名や住所を持っているとは考えられません。
そのため、IPアドレスやタイムスタンプを開示してもらい、そこからわかるプロバイダ(携帯会社やインターネット回線事業者)などに対してさらに開示請求を行います。
これにより、犯人の氏名・住所・電話番号などを入手して民事訴訟で訴えることが可能となります。
ここまで説明してきましたが、法的な削除(削除の仮処分)や犯人の特定を行うには法律の知識や複雑な手続きが必要となってきます。
そのため、もしこれらを行うのであれば、弁護士に相談することをお勧めします。
以上、ホストラブでの書き込みの削除方法や注意点などを解説してきました。
ホストラブは水商売に関する情報が多く、利用者の年齢層も比較的若い、活発なインターネット掲示板です。
その反面、頻繁に誹謗中傷の悪口が書き込まれ、さらに別の匿名掲示板などに拡散して被害が広がりやすい傾向にあります。
意外とすぐに解決できるケースもあるので、もし被害を受けて自分で解決できなかったときには泣き寝入りせずに弁護士に相談をしてみてはいかがでしょうか。
また、書き込みでお店に被害を受けたというのであれば、ホスラブに強い弁護士と協力しながら対応を考えることをおすすめします。