「爆サイ」削除依頼を自分で行う場合のメリットと注意点を解説
「爆サイ」は2ちゃんねるのような掲示板ですが、地域別にスレッドが分けられているのが特徴です。匿名で投稿でき、ローカル…[続きを読む]
「爆サイ.com(通称:爆サイドットコム・爆サイト)」という匿名掲示板サイトでは、ネットトラブルが多く発生しています。
今回は、上記のような悩みを解決するため、爆サイで誹謗中傷された場合に書き込みを削除する方法から犯人を特定して訴える方法までを詳しく解説していきます。
目次
「爆サイ.com」とは、ネット上の巨大匿名掲示板の一つです。
正式名称は「爆サイ.com」ですが、ばくさいと、バクサイト、ばくさいcom、爆砕.com、暴サイ、爆砕ドットコムなどと間違われることも多いです。
「地域に特化した日本最大級のローカルコミュニティサイト」と銘打っていることからもわかるように、北海道から沖縄まで、地域別に掲示板が設けられています(※)。
2020年現在では月間10億PVを誇り、5ちゃんねるに次ぐ勢いで利用されています。
また、運営会社は「Aegate(エーゲート)」だと言われています。
※北海道版・東北版・関東版・甲信越版・北陸版・東海版・関西版・山陽版・山陰版・四国版・九州版・沖縄版・海外版のローカルコミュニティがあります。
爆サイでは様々なネットトラブルや誹謗中傷が生じています。
どのような事例があるのか、簡単に見てみましょう。
爆サイで他の掲示板より多くの誹謗中傷や名誉毀損が行われてしまう理由は、主に「キャバクラ」「お水」「風俗」という風俗関係のカテゴリが設けられていることに関係しています。
全体的に、ホステス・キャバクラとして働く水商売の女性が被害に遭うことが多いという傾向があるのです。
問題のある書き込み内容としては、以下のようなものがあります。
また、上記のような書き込みによる被害として、以下のようなものがあげられます。
また、源氏名や伏字での悪口や誹謗中傷の書き込みが多いのも、爆サイの特徴の一つです。
爆サイは地域ごとのスレッドであるため、実名や本名を晒して書き込みがされていなくても個人特定をしやすく、悪い口コミもその地域で広がりやすいという問題があります。
そのため、被害が広まる前に早急に対処する必要があります。
爆サイでは、利用規約に反していると判断した場合に書き込みを削除するとしています。
そのため、まずは該当する投稿が利用規約のどこに違反しているのかチェックする必要があります。
「不快だから」「自分に都合が悪いから」という理由では削除されませんので、注意してください。
【参照】爆サイ利用規約
爆サイに誹謗中傷・名誉毀損の投稿を削除してもらうには、①自分で削除依頼をする方法、②弁護士に依頼して法的に削除してもらう方法の2つの手段があります。
自分で書き込み削除の依頼をする場合は、各スレッドやレスが表示されている画面の一番下にある「削除依頼」ボタンからフォームを通じて行います。
詳しくは以下のページで解説していますので、ご参照ください。
自分で依頼しても削除されない場合は、法的に削除してもらう必要があります。
その方法として、「送信防止措置請求」と「裁判所の仮処分命令」があります。
送信防止措置請求とは、投稿によって侵害された権利に基づいて、投稿がこれ以上広まらないよう投稿を自主的削除してもらえるようお願いすることです(プロバイダ責任制限法3条1項参照)。
基本的に任意でお願いするため、必ずしも削除されるとは限りません。
裁判所に申立て、書き込み削除の仮処分命令を出してもらう方法です。
仮処分が認められると、法的拘束力もって削除申請ができます。
また、通常の訴訟よりコストと時間をかけずに対処することもできます。
爆サイなどの匿名掲示板で誹謗中傷被害に遭うと、精神的にも身体的にも被害を受けることがあります。
匿名の投稿者を特定して、損害賠償請求をしたいと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここからは、犯人の特定方法と訴える場合の流れを説明していきます。
匿名相手を特定するには、プロバイダ責任制限法4条1項に基づいて「発信者情報開示請求」をする必要があります。
大体の流れは以下の通りです。
なお、慰謝料請求の流れは以下のページで詳しく記載していますので、併せてご参照ください。
爆サイやプロバイダに発信者情報開示請求をするとき、ログの保存期間を意識する必要があります。
爆サイでは基本的に削除されていないものは残っているといわれていますが、携帯会社などのプロバイダのログの保存期間は3か月程度であるといわれています。
爆サイからIPアドレスが開示されるまでは、大体2~3週間かかります。
そこから速やかにプロバイダに対する訴訟を提起しないとログが消えてしまい、特定できなくなる可能性があります。
誹謗中傷の書き込みがされたときから期間が迫っていますので、犯人を特定したいと考えているのであれば早めに弁護士に相談することが重要です。
ただ、ログの保存期間が経過してもIPアドレスを特定できるケースもある可能性があるので、詳しくは爆サイ関係に強い弁護士事務所に相談するのが良いでしょう。
刑法には「名誉毀損罪(230条)」と「侮辱罪(231条)」が規定されています。
これに該当するときは、警察に通報や刑事告訴をすることで捜査してもらい、場合によっては逮捕や、刑事裁判を経て刑事罰を受けさせることもできるでしょう。
警察に相談したい場合は、下記のものを用意して各都道府県警察本部のサイバー犯罪相談窓口に通報しましょう。
ただ、警察が告訴状を受け取ってくれず、捜査されないケースもあります。
また、たとえ逮捕者を探す流れで犯人を特定できたとしても、書き込みの削除まではしてくれませんので、そこは自分でやるか、弁護士に依頼する必要があります。
爆サイの書き込みで逮捕された事例として、最も有名なのが「東名あおり運転事故」のデマ事件です。
【参考】東名あおり事故、デマで罰金刑 福岡地裁支部、名誉毀損罪(神戸新聞)
実際には関係のない人であるのに、犯人の家族であると証拠もないデマが拡散し、その結果晒された人たちは脅迫を受けるなどの被害を受けたとされています。
ただしこの事例は、あおり運転が社会問題している状況も加えた結果、警察が捜査に動いたと考えられます。
キャバクラ嬢・風俗嬢に対する嫌がらせでは、警察は動かない可能性も高いです。
以上のように、書き込みを削除したり、犯人を特定して責任追及したりするには様々な手続きが必要になります。
これらの手続きを素人が行うことは困難です。
そのため、基本的には弁護士に依頼することが一番です。
書き込みを削除する際の弁護士費用ですが、「仮処分」が必要になるかどうかで異なります。
任意交渉の削除の場合には、着手金約5万円が相場です。
但し、誹謗中傷コメントが数百件にのぼる場合には、コメント数によって弁護士費用がかわる可能性があるので弁護士事務所に問い合わせる必要があります。
また、訴訟や仮処分が必要になった場合には、着手金が10万円~20万円程度かかり、成功報酬金が別途かかることが一般的です。
発信者情報開示請求の手続きには、最低でも30万円~40万円程度が必要になると考えましょう。
弁護士を利用したときの費用については下記で詳しくご紹介していますので、興味がある方はご覧ください。
爆サイの書き込みを訴え、相手に請求できる慰謝料相場は下記のとおりです。
慰謝料の額は、被害状況と相手の悪質さなどによって変化します。
請求する金額も弁護士と相談して考えると良いでしょう。
爆サイでは規約違反の書き込みに比較的柔軟に対応してくれるので、悪口コメントの削除請求だけなら被害者が自分で手続きすることもできます。
しかし、犯人を特定して訴えるには弁護士に依頼して訴訟などをする必要があります。
また、警察に通報しても動かなかったり、サイトが任意の削除に応じてくれない場合などにも弁護士の力を借りなければなりません。
費用対効果について心配な場合には、まずは弁護士事務所の無料相談などに行って具体的なアドバイス受けると良いでしょう。