個人情報の削除依頼と犯人特定!個人情報が勝手にネットに晒れたら

個人情報

突然、匿名の何者かによって、掲示板やSNSに、勝手に個人情報が書き込まれる被害を受けることがあります。

今回は、個人情報のネット晒しの行為がどのような犯罪に当たり、晒されり悪用された場合、被害者はどのような対策が出来るのかについて、解説します。

個人情報を晒す行為はどこまで許される?

SNSでの個人情報の晒し例|実名、住所、電話番号等

代表的なSNSであるFacebook・Twitter・Instagramや、匿名掲示板の5ちゃんねる、爆サイ等に「実名が晒された」「住所、電話番号が書き込まれた」「個人情報を流された」という被害が後をたちません。

それだけではなく、下記のように過去の職業や、現在の隠したい個人情報をネットに公開されてしまうことがあります。

  • 「〇〇さんは、キャバクラで働いている」
  • 「ホステスの〇〇さんは、実は〇〇大学の〇〇学部の4年生だ」
  • 「JKリフレをしていた〇〇さんの電話番号は080-〇〇~」

また、個人情報が詰まったプライベートな画像が、SNS(Twitter,LINE,Facebook,インスタグラム)で本人の許可なく拡散され悪用されることがあります。

「〇〇と一緒に△△の家に遊びに行ってきた」とか「〇〇の息子の△△ちゃんの運動会に行ってきた」などと罪意識なく書き込まれて、閲覧者に住所が特定されたり、子どもの顔写真、氏名、学校などの情報を知られてしまうケースもあります。

個人情報の具体例については、下記記事も併せてご参照ください。

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法律上名文化されていないが、「プライバシー権の侵害」が成立する

上記のように、他人の実名、住所、電話番号等を特定してネット上で掲載した場合、「プライバシー権の侵害」が成立し、各種の責任が発生する可能性があります。

プライバシー権は、憲法13条で保障される人権であると認められ、「私生活上の情報をみだりに公開されない権利」と定義されています。

プライバシー権は、何か法律にはっきり保障すると書かれているわけではなく、憲法解釈によって認められる権利です。

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個人情報の書き込み・拡散は犯罪か|名誉毀損罪

ただ、プライバシーの侵害は、刑法で刑事罰が規定されていません。

つまり、個人情報をただ書き込んだだけでは犯罪にはなりません。

しかし、「事実を摘示することによって相手の社会的評価を低下させる」ような書き込みを行った場合、刑法230条に規定されている「名誉毀損罪」が成立します

名誉毀損罪が成立する場合、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金刑に科されるおそれがあります。

写真の無断公開は「肖像権侵害」

たとえば、友人・知人や家族と一緒に写真を撮影する場合、「写真を撮影されること」については了承している場合がほとんどですが、「ブログやSNSなどネット上にアップする」ことまでは、許可していません。

たとえ撮影を承諾していても、「公表については承諾せずに、ネット上に画像をアップした場合、「肖像権」の侵害になる可能性があります。

肖像権とは、「無断で自分の写真や画像を撮影されたり、無断で公表・利用されたりしないための権利」で、憲法上の権利である人格権の一部として保障されると考えられています。プライバシー権同様、法律で明文化はされていません。

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個人情報の削除方法|自分で対応する場合

サイトの管理者に対し、自分で情報の削除請求を対応することは可能です。

下記の2つの方法が存在します。

削除フォームの利用

通常、ネットの掲示板やSNSには、問い合わせフォームや削除フォームが設置されているので、「プライバシーが侵害されて被害がでている」という理由で、個人情報、住所や実名、携帯番号を記載して、削除対応します。

対応方法については、各サイトで異なるため、下記記事等を併せてご参照ください。

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プロバイダ責任制限法を基づき書面で個人情報を削除申請する

サイト管理者に対して書面で削除請求する方法として、プロバイダ責任制限法という法律に規定があります。

削除フォームがない場合、そのサイトの管理者に対して、自分の個人情報が勝手に掲載されているので削除してほしい旨をプロバイダ責任制限法に基づき「送信防止措置依頼書」という書面で伝えます。

すると、サイト管理者はその通報内容が正しいかどうかを確認し、削除に応じることになります。

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個人情報を晒した犯人の特定と慰謝料請求

ネット上で誰かのプライバシーを侵害した場合、加害者側は慰謝料請求される可能性があります。

ただ、慰謝料を請求する側は、その前に投稿者を特定する必要があります。

投稿者の特定方法

ネット上で個人情報の書き込みが行われた場合、相手方が匿名で投稿している場合なども多く、加害者の特定が難しいことがあります。

このような場合、先ほどの「プロバイダ責任制限法」を使って、サイトの管理者に対し、情報の「発信者の情報開示」を求めることが可能です。

この手続によって、相手方の実名・住所・メールアドレス・IPアドレスなどの情報が開示され、被害者はその情報にもとづいて、加害者に慰謝料請求をすることが出来るようになります。

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個人情報の書き込みによる慰謝料請求

相手の情報を特定後、慰謝料請求が可能になります。

個人情報の書き込みやプライバシーの侵害が行われた場合の慰謝料の相場ですが、約10万円~50万円です(*事業に対する妨害などがあれば50万円~100万円)

なお、ヌード写真が投稿された場合などの特殊性があれば、600万円の慰謝料が認められた例もあります。

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個人情報の削除・特定を、弁護士に依頼する場合

上述したすべての手続を弁護士に依頼すれば、代わりにサイトの管理者に削除依頼の請求や発信者情報の開示請求をしてくれます。

一個人が削除請求をしても応じない場合でも、弁護士が連絡してきたら各種の要求に応じるサイトも多いのもメリットの1つです。

また、たとえ相手が削除に応じない場合でも、訴訟で解決を目指し、依頼者としては、その状況を見守り、ときおり弁護士の連絡を受けたり今後の対応について打ち合わせをするだけで済むので、心理的に楽になります。

ネット上で個人情報を書き込まれたり、プライバシーの侵害を受けた場合はまず弁護士に相談しましょう。

個人情報の書き込み削除・開示請求にかかる弁護士費用

個人情報の書き込み削除を弁護士に依頼した場合、弁護士費用は発生します。
弁護士費用については事務所にもよりますが、着手金と成果報酬型になります。

【着手金】

着手金の相場は、下記のとおりです。

  • 発信者情報開示請求の場合には3万円程度
  • 個人情報の削除の場合には5万円程度
  • 2ch,5chなど匿名掲示板の仮処分や訴訟を行う場合には15万円~50万円程度

【成功報酬】

成功報酬金の相場は、下記のとおりです。

  • 開示請求や認められた場合には、成功報酬期として10万円程度がかかることもあります。
  • 具体的に慰謝料が返ってきたら、その10~16%程度が報酬金となることが普通です。




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