削除の仮処分とは|インターネット上の名誉毀損記事を削除する
ネット上で名誉毀損、誹謗中傷の書き込みをされたら「仮処分」によって削除させることができます。裁判所を使った手続きで難…[続きを読む]
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「ネット上の掲示板で、根拠のない誹謗中傷を受けてしまった。」「個人情報がネットに晒されている」など、ネット上で誹謗中傷を受け被害に合うケースは増加しています。
1つの投稿を削除したいというケースもあれば、拡散された根拠のない情報を今すぐ削除したいというものまで、被害態様はさまざまです。
特に「PINKちゃんねる」では、誹謗中傷の書き込みや、プライバシー侵害する個人情報が書き込まれるケースが多く、悪評が書き込まれることにより大きなダメージを受ける場合もあります。
掲示板上で反撃するケースもあるようですが、逆に火をつけてしまうケースもあり、効果はあまりないといえます。今回は、「PINKちゃんねる」で誹謗中傷を受けた場合の対処方法をご説明します。
皆さんは、「PINKちゃんねる」というインターネット上の掲示板はご存知でしょうか。自分自身が被害にあったという方はすでにご存知だと思いますが、ご家族や知り合いが被害にあった方もいらっしゃるはずです。そこで、まずは、「PINKちゃんねる」の概要を理解しておきましょう。
PINKちゃんねるは、アダルト系の大人の総合掲示板であり、さまざまな種類のアダルト系のネタがテーマになっています。AVなどはもちろん、画像や動画、風俗情報などもカバーしています。
PINKちゃんねるは18歳未満の利用を禁止しており、ガイドラインも規定しています。
*参考URL:https://www.bbspink.com/bbspink.html
「PINKちゃんねる」を知らない方は、まず「2ch」「5ch」をイメージしてみるとわかりやすいでしょう。
2ちゃんねるといえば、誰もが知っているインターネット上の掲示板です。テレビで取り上げられることも多く、利用したことはなくてもご存知の方がほとんどだと思います。
2ちゃんねるでは、いろんなカテゴリの掲示板が存在しますが、それぞれのカテゴリごとに(サロン、半角二次元、エロゲー、小説等)テーマを設けたスレッドが存在し、テーマに関することであれば自由に投稿・検索をすることができます。
もっとも、2ちゃんねるでは、アダルト表現や下ネタなどは厳禁というルールが実はあります。
2001年ごろから2ちゃんねる上のアダルト板はなくなりました。どのような経緯があったかは不明ですが、アダルト系の過激な投稿を禁止するためにとった措置かもしれません。
そして、その代わりに登場したのが「PINKちゃんねる」です。簡単に言うと、2ちゃんねるのアダルト板をそのまま別の掲示板にうつしたということになります。
「PINKちゃんねる」の管理人はアメリカ人の「JIM」さんです。
とガイドラインに記載されております。
ガイドラインでは、5ちゃんねる・2ちゃんねるとの関係は否定していますが、どちらにしろ2ちゃんねるのアダルト系の掲示板などから流れた人たちが利用している掲示板と言えます。
では、なぜ「PINKちゃんねる」で誹謗中傷やプライバシー侵害等が問題となるのでしょうか。
「PINKちゃんねる」では、2ちゃんねると同じようにスレッドを立て、投稿をすることができます。その中で、誹謗中傷や個人情報を記載をする人が少なからず存在します。
攻撃対象は幅広く、AV女優、アイドル、キャバクラ嬢、風俗店のスタッフやオーナー、出会い系のモバイルアプリで知り合った方などさまざまです。
個人に対するものもあれば、風俗店などの営業妨害を目的にした投稿などもあります。目の前では言えないようなことを、掲示板で発散しているパターンもあるようです。
たまに、キャバクラ嬢の名前、所属大学名などを記載してしまうこともあります。
これらの原因は、はっきりとはしませんが「個人的恨み」によるものもあります。
実際のサービスに納得できなかった場合や、対応が悪かったなど店や個人に対する批判を書き込んでいるケースがあります。
根拠があるのかないのかはわかりませんが、度を超えた批判は単なる腹いせと捉えることができます。
このような投稿が、悪口や冷やかし程度ならそこまで問題にはなりませんが、特定の個人に執着し、「氏名や住所」など攻撃対象を特定できるような内容まで書き込むケースもあります。
ひどい場合は、人に危害を加えることを予告するような危険な投稿もあります。このような場合、風評被害や誹謗中傷での被害は甚大となってしまいます。
このように、PINKちゃんねるの誹謗中傷は個人的憂さ晴らしが目的のケースもあれば、特定の個人に執着しているケースもあります。度を超えた投稿には、対策を講じる必要があるでしょう。
では、「PINKちゃんねる」の誹謗中傷の注意点は何でしょうか。
先にお話した通り、単なる悪口や冷やかし程度で済む場合もあります。しかし、個人情報が書き込まれた場合や、個人に執着して何度も同じような誹謗中傷が書き込まれた場合には、被害が大きくなりやすいといえるでしょう。
というのも、誹謗中傷が「PINKちゃんねる内でとどまらないケース」があるためです。
老舗の掲示板であるPINKちゃんねるから他の掲示板(爆サイやホスラブ)に拡散されるケースもあり、削除しようと思う頃には、手をつけられない状況になっている場合もあります。
PINKちゃんねるに悪評が書き込まれると、店舗やメーカーなどは営業損害となる可能性も考えられます。
個人の場合は、自分の居場所などが特定され、最悪の場合ストーカー被害にあうケースも想定できます。
このように、たった1つの投稿が招く被害は計り知れません。早めに対処することが被害を最小限に抑える最善の方法といえるでしょう。
では、「PINKちゃんねる」で誹謗中傷やプライバシー侵害を受けた場合、どのような対処法があるのでしょうか。
方法は2ちゃんねるや他の掲示板と手順は一緒です。
削除依頼はPINKちゃんねる削除依頼掲示板(※1)からすることができます。専用の掲示板を設けることで対応をしているようです。
住所や氏名、電話番号などプライバシー侵害の可能性が高いものは、重点削除対象として優先的に削除を行う対応を実施しています。
実際に被害に遭った場合は「重点削除対象専用スレッド」にて報告を行う必要があります。下記のようにそれぞれ被害によってスレッドが分かれています。
上記から自分の被害に合わせて、任意の削除依頼をします。
但し、削除依頼をする際には、注意点があります。
削除スレッドに投稿するということは、「削除依頼自体が公開」されているということになります。
したがって、安易に全ての状況を書き込むと、逆に自分で情報を「晒し」てしまう状態になってしまう可能性があります。
「警察に知らせた」などの書き込みも逆効果となってしまいますので、余計なことは書かず、必要最低限のことを書き込むようにしましょう。
「PINKちゃんねる」のガイドライン(※2)により削除の基準が示されています。
個人については、1群、2群、3群として公的人物であるかどうかを判断しているとされています。
また、削除対象は個人名・住所、電話番号・メールアドレス・誹謗中傷などになります。
個人情報は1群に当てはまるような公人でない限り、重点削除の対象としているようです。
しかし、誹謗中傷に関しては対応が少し異なります。1群については基本的に削除が行わず、2群については公益性のあるものは削除対象にはならないとされています。
単なる個人である3群に当てはまる場合は、「個人を完全に特定するものを伴っている場合」は削除されるようですが、「不愉快である」などが理由の場合には削除されないとされています。
さらに詳しい内容が知りたい場合は、下記のPINKちゃんねる削除ガイドライン(※2)を閲覧してみてください。
ただ、ガイドラインもありますが、実際に削除されるかどうかは、運営側の裁量次第の部分も大きいため削除されない可能性も十分にあります。
では、上記の削除依頼を実施しても削除されない場合はどうしたら良いのでしょうか。
任意交渉で応じてくれない場合は、法的手段に踏み出す必要があります。
法的手段で行うべき方法は下記の3つです。
まず、投稿やスレッドの削除請求では、裁判所に仮処分を申し立て、削除命令を裁判所に出してもらうことになります。
仮処分をすることにより、素早く投稿の削除に踏み切らせることができます。仮処分によって削除が認められる場合は、早くて2週間~1か月ほどで削除してもらうことができるでしょう。
次に、発信者の情報開示請求です。これは次に行う損害賠償請求をする場合に必要になってきます。
というのも、投稿やスレッドの削除請求をしただけでは、投稿者が誰であるのかを特定することはできません。
営業損害が出ている場合にはもちろん、ネット上のストーキング被害に遭っている場合にも、個人を特定することが重要になってきます。
発信者の情報開示請求は、任意で「PINKちゃんねる」に依頼し、それで開示してもらえない場合に裁判所に仮処分を申し立てることになります。
発信者の情報開示請求は時間がかかる場合が多く、6ヶ月ほどの期間がかかってしまいます。ですので、投稿やスレッドの削除請求をする際に同時に請求する方が良いでしょう。
最後に、名誉毀損や不法行為に基づく損害賠償請求です。根拠のない悪意ある誹謗中傷で得た精神的苦痛を賠償してもらうことになります。また、営業損害が出ている場合には、その損害も賠償請求することができます。
このように、任意で応じてくれない場合には、法的手段に出る必要があります。任意で応じてくれない場合にもあきらめず、法的手段にでる準備をしましょう。確実に削除を行える有効な手段です。
規制議論や削除スレッドはわかりづらく、かえって炎上する恐れもあり、「削除はもう諦めよう」と思う方もいらっしゃるとおもいます。
しかし、現状はネット上の問題だけであったとしても、放置しておくと被害が大きくなってしまう可能性もあります。
最近では、ネット上の問題や誹謗中傷に強い弁護士もいます。
匿名掲示板の削除ルールを熟知しているので、安心して任せることができます。
ネット掲示板削除の経験豊富な弁護士事務所では、比較的安価な金額から対策を講じてくれるケースもあります。最初の相談は無料で、実際に対処策に踏み出すときから、料金が発生するプランもあるようです。
最初にお金がかかったとしても、損害賠償などができる場合はある程度費用も補える可能性もあります。
まずは、一人で悩まず、一度削除可能かどうか弁護士に無料相談することを検討してみてください。
インターネット上の被害は、放っておくと大変なことになります。また、個人でできることには限界があります。初期の段階で専門家に相談し、削除することが大切だといえるでしょう。