価格.comの悪質レビュー対処法!誹謗中傷されたら削除できる?
価格.comは、株式会社カカクコムが運営しているお買い物支援サイトです。食品から家電、ファッション小物まで、世の中の多種多様な製品・サービスの価格やレビューを読んで、比較検討することができます。
実際に購入した人ならではのリアルなレビューを読めるのが最大の長所ですが、その反面悪意ある書き込みがされることもゼロではありません。
価格.comの口コミ投稿機能には、“口コミ掲示板”と“ユーザーレビュー”の2種類があります。
今回の記事では、“ユーザーレビュー”に絞って、誹謗中傷被害に遭った場合の対処法を解説します。
目次
価格.comに書き込まれる悪質レビューの例
正当なレビューの範囲を超えた誹謗中傷・名誉毀損
価格.comでは、どんなレビューを削除対象としているのでしょうか?悪質レビューの種類はいくつかに分類されますので、タイプ別に紹介していきます。
「価格.com利用規約 第3編コミュニティ規定 第3条(書き込み内容の削除について)」では、以下のようなレビューはユーザーに対して予告なく削除されることがあるとしています。
- 3. 著作権、著作者人格権、商標権等の知的財産権、プライバシー権等、他者の権利又は利益を侵害する書き込み内容
- 4. 他者への誹謗中傷、揶揄、攻撃又はこれに準ずると当社が判断した書き込み内容及び当該内容が記載された外部サイトへのリンク等を掲載する書き込み内容
- 6. 法令や公序良俗に反する書き込み内容
「意外と使いづらかった」「対応が少し遅かったと思う」など、製品・サービスの品質や対応に対する正当なクレームであれば、問題ないでしょう。
しかし、担当者の個人情報を書き込んだり、侮辱をしたり、「危害を加えてやる」などの脅迫文を書き込んだりするなどの行為は、上記に該当すると考えられます。
競合他社によるネガティブなレビュー
口コミサイトに悪質な投稿を行うのは、実際に製品・サービスを購入した利用客ばかりではありません。競合他社が、ライバルを陥れるために攻撃的なレビューを投稿して、嫌がらせをすることもあります。競合他社のスタッフ自身が書き込んでいるケースもあれば、部外者にお金を払って根も葉もない書き込みをさせているケースもあります。
もちろん、そのような書き込みについても、「価格.com利用規約」で禁止されています。
- 12. 評価や評判を意図的に操作する行為、又はそれに準ずると当社が判断した書き込み内容
- 13. 当社の認めない第三者より金品などの対価を受けることを目的として投稿された書き込み内容
- 14. コミュニティサービス又は当社のサービスを妨げる内容、又は妨げる行為により投稿された書き込み内容
- 15. 虚偽の書き込み内容
このような書き込みは表面上真偽がわかりにくいですが、「怪しいな」と感じたら調査してみることをお勧めします。証拠を揃えた上で価格.comに削除申請すれば、対処してもらえる可能性があります。
価格.comはレビューを消してくれるか?自分での削除・問い合わせ方法?
レビュー専用のお問い合わせフォームに必要事項を記入して送信
価格.comでは、“口コミ掲示板”と“ユーザーレビュー”それぞれにお問い合わせフォームを用意しています。
利用規約違反の悪質なユーザーレビューを削除してほしい場合は、必ず“ユーザーレビュー”専用のお問い合わせフォームから、削除申請をしましょう。
記載内容は、以下の通りです。
- お問い合わせ種別(不適切なレビューの連絡)
- メールアドレス
- レビュー番号
- お問い合わせ内容の詳細
最後の「お問い合わせ内容の詳細」については、「ユーザーネーム○○さんが○月○日○時○分に投稿したレビューの○○(引用)の部分が、利用規約の○条○項に違反しています」という風になるべく詳細に記載すると、担当者に伝わりやすいはずです。
削除申請についての注意点
適切な方法で削除申請したからと言って、必ず削除してもらえるとは限らないことには注意しましょう。
「価格.com利用規約 第3編 コミュニティ規定 第3条(書き込み内容の削除について)」に「当該措置の対象に該当するか否かはすべて当社が判断するものとし、措置理由の開示はいたしません」と記載されている通り、最終的に削除するかどうか判断するのは価格.com側です。
もし価格.comから削除を拒否されたら、次は弁護士に依頼して裁判所での手続きに移行することになります。裁判所の命令なら、企業も従うしかないからです。
削除の可否がわかるまでの期間は、約2週間とされています。
価格.comで弁護士に依頼して削除・犯人特定する方法
IT・ネット界隈の事情に詳しい弁護士を選ぶのがポイント
弁護士にも、それぞれ得意分野があります。弁護士を選ぶ際は、必ずIT・ネット界隈の事情に精通している弁護士を選ぶようにしましょう。
ネット上の名誉毀損・誹謗中傷についての実務経験が多い弁護士ほど、スピーディーかつ適切に対応してくれるはずです。
比較的新しい分野の法律トラブルですから、対応できる弁護士の数も他の分野に比べると限られています。まずはインターネット検索で「ネット誹謗中傷 弁護士」などのキーワードで弁護士を探しましょう。正式に依頼する前に、複数の弁護士に無料相談を受けるのもお勧めです。
弁護士に依頼すると、解決までかかる期間は3ヶ月~半年ぐらいになるでしょう。
弁護士を通して悪質コメントの削除を任意交渉してもらう
弁護士が初めに行うのは、価格.comに対する弁護士からの削除依頼です。ユーザーが個人で行うよりも、弁護士経由の方が効果的な場合もあります。
弁護士は、「なぜそのコメントが法律的に問題なのか」「削除申請に、どんな正当な根拠があるのか」と説得的に伝えてくれます。加えて、“弁護士”という国家資格が持つ印象が、相手にプレッシャーを与えるという効果も考えられます。
弁護士による任意交渉に応じてくれない場合は、次に裁判所での手続きに移行します。
サイト運営者が削除に応じない場合には裁判所での仮処分を申立て
それでも削除してもらえない場合は、裁判所に仮処分を申立てて、削除命令を出してもらうことになるでしょう(民事保全法第13条、第23条2項)。
通常の裁判手続きは、判決が出るまで時間がかかります。しかし今回のようなネット上の誹謗中傷・名誉毀損のケースは、判決が出るのを待っている間にも取り返しのつかない被害が拡大していきます。
そこで、利用するのが“仮処分”です。仮処分は、“とりあえず確からしい”という理由でも削除命令を出せる手続きなので、被害拡大を早期に食い止めることができる可能性があります。相手が命令に応じてくれない場合には、強制執行も可能です。
裁判に比べると早いとはいっても、1~2ヶ月程度はかかることを覚悟しておきましょう。
犯人の特定をして民事責任・刑事責任を問う方法
投稿の内容が極めて悪質であり、具体的な損害が発生しているケースもあるでしょう。その場合は、損害賠償金の請求や、刑事責任(名誉毀損・威力業務妨害など)を追及することも考えられます。これらの手続きはかなり専門的で難しいため、弁護士に依頼されることをお勧めします。
弁護士に依頼すると、以下の手順で犯人を特定してから、損害賠償請求や刑事告訴をすることになります。
- サイト運営者に対し、発信者情報開示請求(仮処分)を行う(IPアドレスの開示)
↓ - 開示されたIPアドレスから契約しているプロバイダを特定
↓ - プロバイダに対し、発信者情報開示請求(訴訟)を行う(契約者の氏名住所等の開示)
↓ - 犯人特定&損害賠償請求・刑事告訴
通信ログの保存期間は数か月間とかなり短いため、IPアドレスの発信者情報開示請求は早めに行うようにしましょう。
まとめ:誹謗中傷・風評被害は弁護士に相談を
ネット上に一度公開された情報は、真偽に関係なくものすごいスピードで拡散されてしまいます。価格ドットコムのように、大勢のユーザーが訪れる有名サイトならなおのこと。異変に気づいたら、一刻も早くIT・ネット事情に精通した弁護士に相談しましょう。
誹謗中傷・風評被害のトラブルに慣れている弁護士なら、すぐに適切な対応をとって、被害を最小限に抑えるよう尽力してくれるはずです。