ネット誹謗中傷!名誉毀損と侮辱罪とプライバシーの侵害との違い
自分の名前でネット検索したら、自分が名誉毀損されていたという経験をした人も多いと思います。そこで今回は、ネット名誉毀…[続きを読む]
今や求人活動、就職活動にインターネットは欠かせない存在となりました。
企業は優秀な人材を確保するために、インターネットに求人情報を掲載し、多数の人に自社の情報を届けることができます。
学生は、インターネット上に、履歴書を掲載し、インターネットベースに就職活動を行います。企業の口コミ等もインターネットで収集できます。
最近問題となっているのは、企業名で検索した時に、関連キーワードに「パワハラ」「最悪」「詐欺」などのネガティブな関連キーワードが表示される場合に問題になります
この記事では、ネガティブな関連キーワードが表示される仕組みと確実に削除する方法を解説いたします。
目次
サジェスト、入力補助とは、検索入力欄に検索ワードを入力しようとすると、サジェストワードが自動的に補間されて表示(検索予測、予測変換)されます。
また、検索結果の最下部に、「○○に関連する検索キーワード」というものがYahooやGoogleにも表示され、「Yahoo関連検索ワード」(通称:Yahoo虫眼鏡)、「Google関連キーワード」があります。
関連検索(別名:関連キーワード、サジェスト)とは、検索者の情報収集を補完する役割であると考えられます。多くの人が検索した検索クエリーや関連するサイトやサイト内の共起語をもとに、関連キーワードを抽出して関連キーワードとして表示するサービスです。
そこには、「気づき」もあって、検索者が予想もしないキーワードであれば、情報収集量が増えることができるし、「知っている」ものでも、入力する手間が省け効率よく検索することができるのです。関連キーワード表示は検索者にとっては重要な役割を担っています。
関連キーワードの場合、会社名で検索すると、社長名が表示されたりします。これは、Google側が、会社名と社長名が強く結びついていると認識して表示しています。
ただ、サジェスト(入力補助)と関連キーワードは概念が似ているように思われますが、役割が少し違います。
次にサジェスト(入力補助)です。こちらは、頭文字3文字を入れると、ユーザーが検索しようとする言葉を補間してくれる機能で、入力の手間を省いてくれるものです。これが便利だと感じる人もいれば、余計なサジェストだと感じる人もいます。こちらは、ブラウザ上で機能をオフにすることもできます。
また、その単語と一緒に検索されるワードを表示してくれます。「ディズニーランド」と入力すると、「ディズニーランド ホテル」「ディズニーランド 待ち時間」など、一緒に多くの人が検索するワードを表示してくれるのです。
関連キーワードは、検索ワードの共起語を表示してくれるものです。他のキーワードという形で検索結果画面の下に表示されます。それは、検索するユーザーが次に合わせて検索しやすい、ボリュームが多いワードが出ているのです。サジェストに長期間表示されていると、関連キーワードに表示されるようになります。
この関連キーワードやサジェストに、ネガティブワードが表示されるようになった時、インターネットによる風評被害や誹謗中傷へと様変わりします。注意が必要です。
例えば化粧品メーカー名を検索した時に、企業名とともに「パワハラ」と表示されてしまうと、それを見た人はその企業がパワハラ企業であると感じてしまいます。そのような状態になると、求人数が一気に落ち込む恐れがあるのです。
毎年、春の時期になると、特に中小企業のYahoo関連検索キーワード(Yahoo虫眼鏡)やGoogle関連キーワード、サジェストに変化が生じます。
「パワハラ、2ch、評判、就職、採用、年収、残業、みんしゅう、適性テスト、アクセス、新卒、ボーナス、倍率」
等が表示されるようになります。
これらの関連検索ワードの特徴にお気づきでしょうか?
そう、これらの言葉は、就職活動中の学生が企業研究のために、企業名と一緒に打込む「特徴的な関連ワード」群です。
上記のような質問が就職活動中の学生には潜在的にあり、企業調査する際につかう特徴的な言葉群が関連検索ワードとして表示され始めます。
10月ぐらいから、普段の検索数より増え始め、年を明けてから、Yahoo,Google関連検索ワードとして、Googleサジェストや関連検索ワード、虫眼鏡、関連キーワードとして出てくるようになるのが特徴です。
特に、学生の間では、「パワハラ企業」に入社したくない。就職サイトも「インターネットでパワハラかどうか情報を収集せよ」と推奨しているため、共通的に「企業名+パワハラ」というキーワードを使って企業調査を行います。よって、次第と検索数が増え、パワハラ企業でもないのに、パワハラと関連検索表示される始末となってしまっています。
事態はここからが深刻で、一度ネガティブワードが表示されると厄介です。そもそも、なかなか消えにくいのがGoogleサジェストや関連キーワードの特徴なのです。
また、「パワハラ、評判、噂」などは、人間の”怪しい”という興味をそそるため、学生でない、一般のお客様までもが検索してきた時に関連検索を打つようになり、検索ボリュームが更に増加の一途をたどり、クリックがクリックを産み、悪循環にはまります。
また、検索ボリュームだけではなく、ネガティブなサイトの数が多いと、関連キーワードに影響がでます。
口コミサイトに、企業がパワハラ企業であるというように、誹謗中傷する書き込みが多数あると、関連キーワードにそのように表示されてしまう可能性があります。
関連検索キーワードが表示される場所は、以下のパターンに分かれます。
検索エンジンの機能の名称 | |
検索入力時に検索欄に補間表示される関連ワード | Yahoo入力補助 |
Googleサジェスト | |
検索結果の最下部に表示される関連ワード | Yahoo関連検索キーワード、Yahoo虫眼鏡 |
Google関連キーワード |
サジェスト(iphone,androidスマホのsafari,chrome)では、PCとスマホでは、Googleサジェストが違うものが表示されることがあります。
デバイスによって、入力補助表示を変えて表示しています。関連キーワードもスマホとPCでは結果がことなることがあります。
関連検索は、別々のロジックを採用しておりますので、YahooとGoogleそれぞれに対して対応する必要があります。
Googleには出ていないけど、Yahooには表示されるということがあります。
【評判、口コミ系】 |
評判、口コミ、2ch、比較、宗教、最悪 |
【職場環境系】 |
給与未払い、サービス残業、激務、過労死、自殺、リストラ、内定取り消し、残業、パワハラ、セクハラ、モラハラ |
【事件ワード系】 |
詐欺、横領、逮捕、サギ、悪徳、最悪、悪人、架空請求、被害、事件、問題点、被害者の会、裁判、訴訟、被告、告訴、書類送検、訴え、名誉毀損、家宅捜査 |
【経営不安をあおるワード系】 |
倒産、上場廃止、解散、債務超過、赤字、不振、借金、解約、債務整理、破産、解約 |
一般的に、入力時に表示されるサジェストの方が、関連キーワードより、クリック率が高いといわれており、サジェスト対策は必須でしょう。また、サジェスト部分は入れ替えが頻繁に起きており、関連キーワードは、googleの場合3~6か月は変更されないので、一度表示されると対策が大変となります。一方、Yahooは、サジェスト、関連キーワードとも1日おきに変更されるので注意が必要です。
会社名を検索した時に、サジェストに「パワハラ」と関連検索が出ることがあります。特に就職シーズン、学生が企業名を検索することはよくあることですが、「パワハラ」と出ただけで、検索会社を名誉毀損で訴えることは可能なのでしょうか?
「パワハラ企業」は、パワハラや過剰なノルマを課す企業。あるいは、大量に雇って、不正な仕事をさせたりするケースも指すことがあります。しかし、このパワハラ企業という関連表示だけでは、直接的には名誉毀損と主張するのは、難しいと考えられます。
『名誉毀損』とは、『公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損』する行為(刑法230条1項)』をさします。
しかし、『パワハラ』という言葉自体では、具体的に『事実を摘示』したといえず、名誉毀損や侮辱として損害賠償の対象となる可能性は小さいでしょう。
掲示板は書き込み投稿者が特定可能なこともありますが、関連検索を表示しているのは検索エンジンであって、多くの検索動向から機械的に表示されたものです。
実際、心当たりがある犯人に対して、嫌がらせで関連キーワードを表示したと主張しても、その因果関係を示すことは難しいです。
また、検索エンジン側が、犯人特定にいたる情報を開示した事例がありません。なぜなら、Google等の検索エンジン側の主張は、「関連キーワード・予測検索キーワードは、Google ユーザーの間で、またインターネット全般においてよく使用されている検索キーワードをアルゴリズムによって反映させたもの。」ということになっています。つまり、問題となる関連ワードを表示させる人は一人ではないということです。
基本サジェストや関連検索は、多数のユーザーによって検索されたという前提があるため、一人が操作して表示させたということは、一般論としてはいえないと検索エンジン側は考えているからです。
しかし、実際は、関連検索が操作されている形跡がみられれるケースもあります。(不自然に長いキーワードが出ていたり、広告めいた関連キーワードなどがそれにあたります)。こういった操作がされないよう、アルゴリズムを改良しているようですので、しばらくは、検索エンジン側のロジックの進化を期待して待つしかなさそうです。
https://ads.google.com/intl/ja_jp/home/tools/keyword-planner/
月間平均検索ボリュームや関連性の高い検索キーワード等が取得できるGoogle提供のツールです。
特に、キーワードの検索数を確認するのに重宝します。
不自然なネガティブ関連キーワードが表示されたら、いつごろ検索数が増え始めたのか?というのも確認できます。
一番おすすめなのがこのツールです。
googleサジェストを取得するのに重宝するツールです。単に上位10個だけではなく、「検索ワード あ」「検索ワード い」などの「あいうえお」検索もしてくれて、サジェストも入手してくれます。
さらに、サジェストや関連キーワードを入手するだけはなく、教えてGooやYahoo知恵袋もリストで表示してくれますので、単に「関連キーワード」を調査するだけではなく、検索意図や、どういう「悩み」や「疑問」があって検索しているのかがわかるようになります。
検索エンジン会社は、パワハラ企業認定されたことも、倒産の事実もないのに「パワハラ」「倒産」等、表示されている場合、削除申請を受け付けています。最近では、柔軟に対応しているようなので、難しくないので自分で削除申請するとよいでしょう。この方法が、一度削除されれば、再表示される恐れがなく、「確実に削除」できる方法です。
Yahooの虫眼鏡、関連検索はスパム表示される被害もありますので、「虫眼鏡SEO」など次々とネガティブなワードがでる場合、有効な対抗方法だといえるでしょう。
Yahooの削除申請は、現時点ではログインせずに、匿名で行えます。(2017/2/24時点)
「Yahoo!検索 - 関連検索ワードに関する情報提供フォーム」(関連検索ワード削除用)
(※↑外部のYahoo削除サイトへ飛びます)
詳細の文章は、刑法とか民法とかの説明までは必要なく、なぜ困っているのか、簡潔に記載すればよいでしょう。
早い場合は、1日。遅くても1週間以内には削除対応するようです。それ以上まっても削除されない場合は、Yahoo側が削除しないと判断したと考えられますので、別の方法を検討する必要があります。Yahooから、削除した・しないの返答は、匿名申請ということもあり、ありません。
「Yahoo!検索 - 関連検索ワードに関する情報提供フォーム」
(※↑外部のYahoo削除サイトへ飛びます)
https://support.google.com/legal/contact/lr_legalother?product=searchfeature
Googleの場合は、匿名ではなく、Googleアカウントが必要です。
Googleは1か月以内に削除するしないの判断をしてくれます。削除する、しないの判断の結果をメールで教えてくれます。削除しませんという回答が来たら、別の方法を検討する必要があります。
削除申請でも、すべてのワードを検索エンジン会社が削除してくれるわけではなく、検索エンジン側の削除ポリシーによるところが大きいです。削除されない場合は、どうすればよいのでしょうか?
そういう場合は、風評被害や誹謗中傷の対策を専門としている弁護士に相談するのが解決の早道です。検索エンジン会社へ、弁護士が削除申請してくれることにより、「パワハラ」他、ネガティブなワードが削除される可能性が高いです。この方法も、再表示の恐れがなく、「確実に削除」できる方法です。
関連検索ワード対策は、早ければよいということは分かっています。今は何もでていないからといって安心してしまうと危険です。特に、月間検索ボリュームが1000以下の場合、こういった就職活動の学生の検索エンジンを使った、企業研究活動に大きな影響を受け、最終的には通常の営業活動や企業ブランドに多大な悪影響が与えてしまいます。
事前に対策をうつのと、後から、削除作業するのでは、負荷が大きく違います。表示されないように、IT弁護士を顧問契約して、長期的にWEBブランド管理を事前に行うというのもよいでしょう。
被害が出ている場合は、早急に、関連検索の誹謗中傷を専門的に行っている弁護士に依頼して、削除依頼してもらいましょう。
関連キーワード削除を行っている誹謗中傷対策業者もありますが、誹謗中傷対策会社による削除の場合、施策をやめた場合、再発の恐れもあります。「確実に削除」というよりは、「暫定的な対応」であります。しかし、次々ネガティブワードがでてキリがないなどの場合、誹謗中傷対策会社に解決方法を相談してみるのもよいでしょう。
誹謗中傷対策会社に頼む場合は、長期間、料金を支払ってでも対策をしてもらうという覚悟が必要です。また、対策終了後は、再発の恐れがあることは覚悟しないとなりません。業者の方に、再発する可能性を確認すること、どういう手法で削除するのか?も確認が必要です。
誹謗中傷対策会社と弁護士との違いは、弁護士は対策を合法的に行ってもらえ、削除された場合、再発の恐れがないのが最大のメリットだといえます。
弁護士削除の場合は、検索エンジンがその誹謗中傷の関連ワードが表示されないように、アルゴリズム上に登録しますので、ユーザーの検索動向に影響を受けずに済むからです。
関連検索ワードを確実に削除する方法としては、
などを注意して、メリット、デメリットを把握して、自分のケースに応じた削除方法を選択することが大事だということを理解しておきましょう。