フリマアプリやネットオークションでの偽物・詐欺・トラブル対処法
目次
フリマアプリやネットオークションでトラブル発生!対処法は?
ネットで買い物が主流の時代。皆さんも、一度はインターネットで買い物をしたことがあるのではないでしょうか?
ネットオークションやフリマアプリでは、お得に欲しいものをゲットできるので、ラッキーに感じることもありますよね。でも、これまでの販売形態とは異なり、素人や悪意のある人たちから買い物をした場合、いきなりトラブルに巻き込まれることもあります。
実際に「粗悪品だった」「買ったものが送られてこない」など被害が多発しています。安全に買い物をするためにも、トラブルに遭ったときの対処法や予防法を学んでおきましょう。今回は、「フリマアプリやネットオークションで詐欺などのトラブルに遭った場合の法的解決法」を解説します。
オークショントラブル事例
ネットオークションやフリマアプリでは、実際にトラブルが発生しています。どんなケースが実際にあるのかを見ていきましょう。
ネットオークション・フリマアプリでの被害事例
まず、代表的なケースとしては、商品が送られてこない被害です。代金を振り込んだはずなのに、「入金が確認できないからキャンセルする」と出品者から言われてしまうケースもあります。
次に、商品に欠陥があるケースです。「注意書きになかった傷があった」「故障していた」というのが代表的ですが、ひどいケースでは「商品が写真と違う」という事例もあります。ブランド物を買ったのに、偽物だったという悪質なケースもあります。
これ以外にも、「送料込みのはずが、着払いで届いた」例や、次点詐欺といって、落札できなかったが2,3番目に高い価格を付けていた人に「落札者がキャンセル」と連絡し、全員にお金を振り込ませる事例もあります。警察には、不正アクセスにより詐欺を行う手口、他人のIDとパスワードを入手し、架空出品する手口なども報告されています。
被害額ですが、数千円・数万円と少額なケースがほとんどですが、数十万・数百万にわたる被害もあります。中古車など大きな買い物では特に注意が必要です。
このように、被害事例はさまざまです。商品が送られてこず「詐欺!?」と思ったら、単に発送が遅れていたケースもあります。過度に心配する必要はありませんが、出品者と連絡がとれない場合は「問題あり」と考えた方がいいかもしれません。
被害者は落札者だけじゃない!出品者が被害に遭うことも。
実は、落札者だけでなく出品者が被害に遭うケースもあるんです。業者が行っている通販サイトとは異なり、「誰でも売り手になれる」ネットオークションやフリマアプリだからこその問題が発生しています。ネット上の売買に慣れていない出品者が被害に遭うケースがあります。
よくある被害は、落札者による強引な値引き交渉です。
落札した後に難くせをつけてきて、値引きしてほしいと主張してくるケースがあります。この他にも、「注意書きをよく見ず購入し、後で文句をつける」「子供が勝手に落札した」など嘘の理由でキャンセルするケース」もあるので注意が必要です。
このように、被害者は買い手の側だけではありません。売り手も被害に遭うケースがあります。どちらの側になるにしても注意が必要です。
タイムリーなやり取りができない
オークション、出品者は、ネット通販上でいえば「売り手」「店舗」であって、落札者は、「買い手」「顧客」であるといえます。しかし、出品者側は、実店舗の店のオーナーといった意識を持った人ばかりではないので、そこまで責任感がないことがあります。
なかなか、連絡をしない、落札したのに商品を一行に送ってこないといったトラブルがあります。逆に、フリマアプリやネットオークションの使い方を知らずに、「買い手」側も商品をうけとったのに、商品受け取り連絡をしないためなかなか入金処理がされない、出品者の評価をしてくれないといったトラブルも起きやすいといえるでしょう。
インターネットオークション(ヤフオク)とフリマアプリ(メリカリ)の違い
インターネットオークションとフリマアプリは、中古販売やレア品などを売買するサイトとしては同じなのですが、現実には少し仕組みが異なります。ここで理解しておきましょう。
ネットオークションは、一番高い価格をつけた人が落札する仕組み
インターネットオークションとは、商品を売買するインターネット上のサイトのことです。出品者が設定した期限までに一番高い価格をつけた人が落札する仕組みになっています。欲しい人が購入したい金額を積み上げ、意外な値上がりを見せることもあります。代表的なサイトとしては、ヤフーオークションやモバオク、楽天オークションなどが挙げられます。オークションサイトは、大手企業が運営しており、出品者の基準もネットフリマより厳しく、プロの業者もいるのが特徴です。もっとも、詐欺に遭うケースもあるので油断は禁物です。
フリマアプリは、出品者が価格を決める商品売買サイト
もう1つ人気がある中古品の販売形態として、フリマアプリがあります。フリマアプリは、出品者が価格を事前に決める商品売買サイトです。ここがネットオークションとの最大の違いでしょう。メルカリ、ラクマ、ジモティーなどスマホのアプリで展開しているのも特徴です。このようなアプリでは、基本的に素人が出品者となるため、商品の引き渡しをするためのやりとりでトラブルが発生しやすいといえるかもしれません。最近では、現金が出品されたりするなど、別途社会問題にもなりつつあります。
オークション・フリマトラブルで自分ができる対策・予防策
では、被害に遭わないために自分でできる対策や予防策はあるのでしょうか。
安全に取引するには?
まず、問題のある商品を購入しないこと。
見極めが難しく感じるかもしれませんが、明らかに怪しいものは見分けられます。入手困難やレアな商品を落札するときは特に注意が必要です。出品者の情報をしっかり確認し、極端に評価が低い場合は購入を控えたほうがいいでしょう。商品紹介欄の日本語が怪しい場合なども、詐欺集団の可能性があります。また、ブランド物にも注意が必要です。ものすごく安く価格設定がされている場合は、「正規品ではない」など裏があると考えたほうが良いでしょう。
次に、エスクロー方式を利用すること。
エスクロー方式とは、業者が間には入り、お金と商品のやりとりを受け持ってくれるサービスのこと。返金が保証されるので、安心です。ネットフリマやネットオークションでは、先払いをすることが多いかもしれませんが、詐欺被害に遭いやすくなってしまいます。安全策としては、エスクローをおすすめします。メリカリやヤフオクはこのシステムが利用されていますが、手数料を浮かすために直接金銭のやり取りを持ちかけてくるケースもありますから、あくまでもエスクロー方式のみで対応することが重要です。
最後に、トラブルになった場合は、主張すること。
着払いになっていた場合などは受け取りを拒否しましょう。注意書きにない傷や血管がある場合、商品が異なる場合などは、しっかりと返品や返金対応などを行うことも重要です。場合によっては、法的措置も採ることを明言し、毅然とした対応をとることが大切です。
出品者の予防策は?
出品者も自己防衛策を取っておく必要があります。
まず、注意書きを徹底すること。
売り手である出品者の予防策としては、傷などがある場合は、「大きな文字で注意書きをすること」と、「わかりやすく表示すること」が大事です。文字だけでなく、傷部分の写真をズームアップするなどして、クレームが出ても対処できるようにしておきましょう。落札価格を少しでもあげたいということで、傷のことをいわないこともありますが、後でトラブルになるようなことを事前に公開していくことでトラブルを防げます。
「中古美品」と書きながら、実際には傷だらけであれば、問題となります。
次に、評価の悪い落札者を拒否すること。
できる限り被害を減らしたい場合は、評価の悪い落札者を受け付けないことも重要です。評価の悪い落札者は商品に難くせをつけるケースが多いです。この場合、未然にトラブルを防ぐという意味では、最初からお断りすることも重要です。もっとも、拒絶することで変なトラブルにならないよう、「トラブルを防ぐため、悪質な落札者や評価が極端に悪い方は、申し訳ございませんがお断りしています」と記しておきましょう。
このように、落札者・出品者両者に自分でできる予防策があります。対面せずお金のやりとりをするため、お互いが心地よく取引できるよう、事前説明や言葉遣いなども十分注意しましょう。それでもトラブルが発生してしまった場合には、次の対処が必要です。
商品名の付け方も、少しでも高く買ってほしいからといって「煽り」の表現をいれてはいけません。また、2年以上つかっていたのに、「使用期間1年未満」などの嘘も書いてはなりません。
ネットオークション・ネットフリマで詐欺にあったらどう対処する?
では、ネットオークションで詐欺に遭った場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。以下、順番に実行してください。
事業主に報告する。
まず、出品者と連絡が取れなくなった時点で、商品がこないなどサイトやアプリの運営者に報告しましょう。詐欺被害にあった場合は、サイトの事業主が詐欺被害のための保険に入っていることもありますので、報告することは重要です。もっとも、ネットオークションやフリマアプリの運営元は、「当事者同士で解決すること」を基本にしています。そのため、問題があっても介入してくれないこともあります。このような場合は、消費者センターにも報告しましょう。被害を報告することが重要です。
詐欺に遭った場合は、警察と銀行に報告。
次に、警察に報告です。各都道府県のサイバー犯罪対策課が動いてくれる可能性があります。また口座振り込みで送金した場合、銀行にも連絡をしましょう。組戻しの対応か、振込詐欺救済法により救われるケースがあります。振込詐欺救済法では、銀行の口座を凍結し、被害金額を分配してくれるシステムがあります。振り込みの場合は、銀行にも連絡することを忘れないようにしましょう。
商品がほしい場合は、債務の履行を求める内容証明郵便を
出品者の住所や氏名などがわかる場合は、自分で期日を決めて債務の履行を求める内容証明郵便を送りつけることもできます。契約を解除する場合でも、民事訴訟(少額訴訟制度)を利用して、不当利得に基づく代金返還請求を行うことも可能です。これらのことを自分でするのが不安な方や自信がない方は、弁護士に相談して代理で行ってもらう方が良いでしょう。
警察への報告のためには、証拠の確保も重要
警察が捜査する場合に備えて、自分で証拠を確保しておくことも重要です。あらかじめ出品者が逃げる場合に備えて、あらゆる情報を確保しておいてください。具体的には、電話番号、住所、氏名、ID,ユーザー名、送金先の銀行名、支店名、口座番号、出品画面などです。スクリーンショットで残しておくのも有効です。連絡をとっていた場合などは、メールなどのやりとりも保存しておきましょう。データの形で残しておくことが大切です。
このように、実際に被害に遭ってしまった場合は、自分でいろんな場所に報告することが必要になります。簡単にほしい物が安く手に入る反面、リスクもあるということを理解しておきましょう。
ネットオークション・フリマアプリで犯罪が成立。詐欺の刑罰は重い。
では、ネットオークションやネットフリマでお金を騙し取られた場合はどんな犯罪が成立するのでしょうか。
代表的なのは詐欺罪です。詐欺罪は刑法246条1項に規定される非常に重い犯罪です。刑罰は、「10年以下の懲役」が課されることだけが規定されており、ご覧のように罰金刑がないため、かなり重い罪となります。
実際の犯罪が成立するかは、次の要件を満たさなければいけません。「欺もう行為、被害者の誤信、財産の処分行為、欺もう行為と処分行為との間の因果関係」の要件を充たす必要があります。これ以外にも、主観的には、詐欺を働いたことに対する「故意」が必要です。ネットオークションやフリマアプリで故意に粗悪品を売りつけた場合や、お金だけをだまし取った場合には、詐欺罪に問われる可能性があります。
被害者は、被害に遭ったことを警察に報告することが重要です。他にも被害者がいるかもしれません。他方、出品者側で、そんなつもりがないのに警察から連絡が届いたという方は、商品の発送を忘れていないかなど確認をした後に、警察に身に覚えがないことを説明しましょう。
金銭被害の賠償なら、弁護士へ相談しよう
金銭的被害を回復したい場合は、弁護士に相談することをおすすめします。特に、被害金額が大きい場合は、専門家である弁護士に相談した方が良いかもしれません。法律的解決方法としては、商品に欠陥がある場合は、瑕疵担保責任を追及し契約の解除や損害賠償を請求します。商品が送られてこない場合は、債務不履行に基づく損害賠償請求を行うことが可能です。
また、被害金額が大きい場合だけでなく、自分で内容証明郵便を送ったりすることに抵抗がある場合も専門家に任せるべきだといえます。裁判になる前に解決出来る場合もありますし、ケースによっては裁判を起こし損害賠償請求を行ってくれます。ネットトラブルに関する問題は、ネット問題に強い弁護士に依頼することが得策です。法的な問題解決だけでなく、さまざまなケースを見ているため、個別案件に応じた適切な対応をしてくれるはずです。ネットオークションやフリマアプリで金銭的被害賠償を訴える場合は、弁護士に無料相談をしてみるとよいでしょう。