キャリコネの削除方法と犯人特定を行う方法|会社の悪い評判書き込み
目次
キャリコネで悪い評判が…どう対処すべきか?
企業が優秀な人材を求める場合、人材獲得として一番利用されているのは、転職情報サイトです。
今の時代は、就職前に会社の内情を知りたいと考える方も多く、ネットで会社の口コミを検索してから就職面接を受けるというスタイルも一般的になってきました。
キャリコネでは、「企業の内情が知りたい」「給与明細を残業と合わせて比較したい」と考えるユーザーのために元社員等からの口コミを集め、企業に応募できる仕組みをサイト上で構築しています。
もっとも、元社員等の口コミが悪評であったら、その会社を志望したいと思うでしょうか? 悪評があれば、皆さんその会社を敬遠する方が多いでしょう。中には根拠のない悪口といえるものまであるかもしれません。
そこで今回は、「キャリコネの悪評を削除してもらう方法」をお伝えします。
キャリコネの悪評は会社にどのような影響をもたらすのか
まずは、キャリコネの概要と、悪い口コミがあった場合の影響力をご説明します。
キャリコネとは、口コミがわかる求人情報サイト
では、キャリコネとはどのようなサイトなのでしょうか?
キャリコネは、株式会社グローバルウェイが運営する求人情報サイトです。2006年に設立以降、多くの方が就職・転職の際に利用しています。
転職情報サイトとしては、マイナビやdoda、ビズリーチなどが有名ですが、このサイトの特徴は口コミを閲覧できる、同じ業界と給与や残業を比較できる点にあります。
他の転職情報サイトと同様に、企業の求人情報を確認できるだけでなく、
- 総合評価
- 企業の年収や給与
- 面接体験
- 残業・休日出勤
- ホワイト・ブラック度
- クチコミ比較
など、実際に経験した誰かの情報が手に入るのが大きな魅力です。
利用者アンケートというものから集めたデータにより、実際の年収や給与、評判、働きやすさなどがわかるというのは、求職者にとって嬉しい情報となります。
これまでは実際に働いてみないとわからなかったことが、面接前にある程度把握できるため、企業と求職者のミスマッチを少なくできるというメリットもあるでしょう。
キャリコネの影響力 – 悪評が立つと優秀な人材獲得に影響 –
では、キャリコネはどのような人が利用しているのでしょうか。
ユーザーとしては、学生と社会人に分かれます。学生の場合は、現役大学生が70%であり、大卒以上の学歴を持つユーザーが60%以上という結果が出ています。
また、社会人のユーザーは、20代後半から30代後半の働き盛りの世代の利用がほとんどとなっています。
男女別では、男性ユーザーが75%のため、男性が転職の際に利用することが多いようです。年収の統計もあり、400万円以上の年収の求職者が新しい会社を求めて利用していることがわかります。
このような統計から見ると、就活に利用している学生もいますが、働き盛りで優秀な人材がもっと良い会社を求めてキャリコネで実際の状況を見ながら、良い会社を選んでいるケースが多いといえます。
一般的に、口コミサイトで悪評が立った場合の影響を考えると、優秀な人材に応募してもらえなくなるという影響が考えられるでしょう。
キャリコネの悪い口コミの削除方法
では、キャリコネの悪評へはどのように対処すれば良いのでしょうか。削除請求の方法と削除基準をご説明します。
自社で行う→キャリコネに対し削除請求を依頼する
キャリコネの利用者アンケートなどの悪い口コミを削除してもらうには、キャリコネの運営会社に対し削除依頼をすることで対応します。
具体的には、以下のURLから削除依頼フォームの内容に従い、削除依頼を行う必要があります。
削除依頼フォームでは、会社名、担当者氏名、住所、メールアドレスなどの個人情報、削除依頼記事番号、削除理由を明記してください。
一番重要であるのは、削除理由です。
基本的には、利用規約に反していることを主張しなければ削除依頼が受け入れられることはありません。
そのため、その口コミが利用規約に反していることを論理的に説明することは必須です。
ちなみに、悪い口コミを書いた本人に削除してもらいたいと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、利用者情報については原則として非公表のため、本人を特定することができません。そのため、キャリコネ運営者に削除依頼をするのが第一歩です。
削除理由に書くべきこと|キャリコネの削除基準は?
では、どのようなケースが削除される内容なのでしょうか。削除基準を見ていきましょう。
先にお伝えした通り、利用規約に反していない限り、運営側は削除に応じてくれません。そのため、「悪い口コミは会社の意に反する」という感情的な内容では、削除は受け付けてくれません。
削除基準としては、企業に関するアンケートの利用規約「第3条 禁止事項」と「第6条 投稿情報の事後検閲について」が参考になります。
内容を要約すると、以下の行為は禁止行為と事後検閲の対象となる行為にあたるため、こちらが指摘すれば対応してくれます。
- 虚偽内容の投稿
- 他人の著作権、名誉、プライバシーその他の権利を侵害する或いはそのおそれのある内容の投稿その他の行為
- 他者を差別もしくは誹謗中傷する行為
- 理由が書いていない批判や、意図的に特定事業者の名誉又は信用を毀損する行為
- 犯罪行為、又は重大な危険行為に結びつくおそれのある行為
- 自己に関する虚偽の個人情報を弊社に申告する行為
- 法令や公序良俗に反する行為
- 上記に準ずる行為及びその他運営側が不適当と判断した行為
悪い口コミの場合、虚偽の内容であること、会社の名誉やプライバシーを侵害すること、根拠のない批判・誹謗中傷であること、等を根拠に削除依頼をすることが多いでしょう。
キャリコネは削除請求に本当に対応してくれるのか?
次に、削除請求の対応状況、削除してもらえない場合の対処法についてご説明します。
キャリコネは基本的には紳士的に対応してもらえる
キャリコネは、削除依頼内容に理由があると判断した場合には、比較的早く対応してくれる会社です。実際に削除例もあるようですので、削除依頼に対しては紳士的に対応してもらえるでしょう。
もっとも、これは利用規約に反する理由がある場合です。事後検閲に関しては、運営者側に自由な裁量権があります。そのため、削除するかどうかは運営側の判断です。削除理由も公開する義務はないと利用規約に明言しています。
以上から、削除を実行してもらうためには、根拠となる資料の提出が必須です。
「根拠のない誹謗中傷である」という削除理由の場合は、これを基礎付ける資料を提出しなければいけません。例えば、退職した日付について記載があるが、その日に退職した人材はいないことや、退職理由が口コミと相違している場合などはその理由を根拠づける資料が添付されていなければいけません。
一度、削除依頼をしてからその後の運営側の回答で追加資料の提出を求められることもあります。そのため、審査基準はかなり厳格であるといえるでしょう。
削除してもらえるかどうかは、削除理由と根拠資料次第といっても過言ではありません。できるだけわかりやすく根拠資料を用意するようにしましょう。
キャリコネが削除しない場合は?
「内容に沿う資料提出ができなかった」
など、削除対応を拒絶されてしまうケースもあります。このような場合は、以下の対処法があります。
- 弁護士に交渉を依頼する
- 裁判所に記事削除の仮処分を申立てる
誹謗中傷対策に慣れていない方が、削除依頼を行った場合、根拠資料を十分に揃えられず拒絶されてしまう例は多くあります。風評被害やインターネットの誹謗中傷問題を取り扱っている弁護士なら、交渉も慣れているため別の資料を集める方法をレクチャーしてもらえるかもしれません。交渉もプロが行う方がスムーズでしょう。
交渉でうまくいかない場合には、裁判所に記事削除の仮処分を請求することも考えられます。仮処分が認められれば、運営元も記事削除に対応せざるをえなくなるでしょう。
キャリコネ書き込みの犯人を特定し損害賠償する
また、虚偽の内容の書き込みにより、営業妨害に繋がったり、採用に影響を与えて会社経営に影響がでで損害が発生するケースがあります。
その場合は、口コミを書いた本人を特定するため発信者情報の開示を求める仮処分も請求し、本人を特定することができます。
犯人を特定することができたら、相手に対して民事損害賠償請求をしたり、刑事告訴したりすることが可能になります。
このとき問題になるのは、刑法上の信用毀損罪や偽計業務妨害罪です(刑法233条)。
- 信用毀損罪とは、虚偽の情報を流したり、偽計を使ったりして、人の経済的な信用を失わせる罪です。
- 業務妨害罪は、虚偽の情報を流したり、偽計を使ったりして、人の業務を妨害する罪です。
この2つの罪は重なり合うことも多く、ネット誹謗中傷が行われた場合には同時に適用されることもよくあります。
キャリコネの口コミ削除ができないなら、弁護士に相談を
キャリコネに口コミの削除依頼をする方法は、「削除依頼フォームに沿って作業を行うのみ」なので簡単です。しかし、削除理由がしっかりと根拠付けられていないと削除は難しくなります。
根拠のない悪評でお悩みの場合は、インターネットの誹謗中傷問題を取り扱う弁護士にご相談ください。
削除依頼から裁判の仮処分まですべてお任せできます。悪い噂は一度広まってしまうと、嘘でも信じられてしまいます。できるだけ迅速に削除を行うためにも、早めに対処することが肝心です。