名誉毀損とは~構成要件、刑罰、時効、事例をわかりやすく解説
ネットで他人を誹謗中傷すると「名誉毀損」となって相手から刑事告訴や損害賠償請求をされる可能性があります。一方誹謗中傷…[続きを読む]
「知らないうちに、自分の電話番号がネットに晒されていた」
「知らない番号から毎日のように電話がかかってくる…」
そんなトラブルに巻き込まれたことのある人もいらっしゃるのではないでしょうか。
電話番号が晒されることによる被害は、想像以上に大きいものです。
この記事では、電話番号が晒されてしまったときの対処法などをご紹介していきます。
電話番号晒しが行われる理由の1つが、嫌がらせ・仕返し目的です。
例えば恋愛がらみのもつれや妬み、職場での不満、人気による嫉妬など、あらゆる事情で相手に少しでも嫌がらせをしたいときに行われることが多くあります。
そのため、犯人が実は知り合いだったというケースも少なくありません。
また、
というように、水商売・風俗関係の仕事、活動をしている女性が被害に遭うことが多いようです。
電話番号を拡散されるのはもちろん嫌ですし、これをきっかけにいじめなどのトラブルが起きてしまうとさらに辛いですよね。
加えて、稀にネット上で知った他人の電話番号をいたずらで晒してしまう人もいるようです。
電話番号は、TwitterなどのSNSだけでなく、電話番号晒しサイトや、匿名掲示板で晒されてしまうことが多いです。
例えば2ch、5chや、爆サイ、V系初代たぬきといった匿名掲示板には、電話番号晒し用のスレッドが立てられ、被害に遭う人が少なくありません。
電話番号が晒されると、様々な被害を被ることがあります。
ネットで番号を見かけた人が、面白がって電話をかけてくることがあります。
日中深夜問わず掛けられてくることもあり、次第に着信音を聞くことが怖くなってしまいます。
出会い系サイトなどの悪質なサイトにいたずらで電話番号が登録されることがあります。
知らない間にそんなサイトで自分の電話番号が晒されているのは怖いですよね。
電話番号がネット上に晒されると、それを見つけた犯罪者がターゲットリストに加えてしまうことがあります。
そこから悪用されて詐欺被害に繋がったりと、他の犯罪に巻き込まれる可能性もあります。
組織的な詐欺・犯罪グループなどは、流出した電話番号などは「セキュリティ意識が甘い」と判断して、詐欺等の対象にすることがあるからです。
このような電話番号晒しは犯罪として逮捕してもらえるのか、疑問に思っていらっしゃる方もいるでしょう。
結論からいうと、単に電話番号のみを書き込まれた、というようなプライバシー侵害だけでは逮捕される可能性は低いです。
というのも、プライバシー侵害は刑事罰の対象ではないからです。
しかし、電話番号を晒したときに問題となる書き込みが一緒にされていた場合など、場合によっては犯罪になることもあります。
それでは、犯罪になる場合について見てみましょう。
上記のように、匿名掲示板やサイトに電話番号を晒した際、一緒に誹謗中傷や名誉毀損になるような書き込みをしていると、名誉棄損罪が成立する可能性があります。
成立すると、3年以下の懲役若しくは禁錮または50万円以下の罰金が科せられます。
嘘の情報と共に会社の電話番号が晒されたことにより、電話が頻繁にかかってきて営業に支障をきたした場合、業務妨害罪が成立する可能性があります。
成立すると、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられます。
また、記載される情報によっては信用毀損罪として罰せられる可能性もあります。
上記のような罪に該当すれば警察が動いてくれる可能性が高いですが、単なる電話番号晒し(プライバシー侵害)の場合では民事不介入として動いてくれる可能性は低いです。
ただ、「電話番号を晒すぞ」と脅されるなど、場合によっては警察に相談すれば動いてもらえるかもしれません。
また、警察が動いてくれない場合であってもプライバシー侵害であることに変わりはないので、相手方を特定したうえで、民事訴訟などで慰謝料・損害賠償請求をすることができます。
ただし、プライバシー侵害でもらえる損害賠償の額が少ないケースもあるので、弁護士を頼んだときは赤字になる可能性があることに留意してください。
もしインターネット上に自分の電話番号を晒されたらどうすればいいのでしょうか。
ここからは対処法をご紹介します。
もし、ブログやSNSなどで電話番号と一緒に自分の個人情報(氏名や出身など)を載せている場合は、非公開もしくは文面から削除しておきましょう。
第三者が電話番号でネット検索をして、さらに個人情報が悪用されることを防ぐ効果があります。
登録していない電話番号や非通知からの電話は、着信しないように設定しましょう。
また、LINEを使っている人は勝手に登録されて悪質なメッセージが送られてくる可能性もあります。
そうならないように、電話番号から検索できないよう設定しておきましょう。
重要なのは、電話番号を晒した投稿を削除することです。
これについては次の項目で詳しくご説明します。
一番簡単なのは、投稿のあるサイト(SNS)の運営者・管理者に連絡して削除してもらう方法です。
大抵は通報ボタンや問い合わせフォームがあるので、そこから連絡すればいいでしょう。
削除依頼の理由を書くスペースがあるときは、該当する投稿のここがプライバシー侵害になっている、ということをわかりやすく書くようにしましょう。
ただし、サイト管理者が削除してくれない場合は、②③の対処が必要になります。
プロバイダ責任制限法3条1項に基づいて、法的に削除してもらいます。
「送信防止措置請求」とは、投稿の自主的削除を促す請求のことです。
基本は、書面を送付して申請します。
上記の方法では、最終的な判断は運営側が行うので必ずしも削除されるとは限りません。
そのため、法的拘束力をもって確実に削除してもらいたいならば、裁判所に仮処分命令を出してもらいましょう。
仮処分というように、暫定的な判断で投稿を削除するよう命じてくれるので、普通の裁判より早く・安く削除することができます。
自分の電話番号を晒した人間は誰なのか、気になる人も多いでしょう。
そんな場合は、プロバイダ責任制限法4条1項に基づいて発信者情報開示請求をしましょう。
この制度により、匿名相手を特定することができます。
民事で損害賠償請求などをしたい場合にも、発信者情報開示請求が必要となります。
以上が、ネット上に電話番号が晒されたときの対処法です。
電話番号を晒すことは基本犯罪とならないため、民事的な対処が必要になります。
しかし、法律に詳しい人でない限り、自分で裁判所に申し立てたり発信者開示請求を行うことは困難です。
一人では難しいと思ったら、無料相談などで一度弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。