オリンピック選手への誹謗中傷はなぜ起こるのか|心理・理由を解説

オリンピック誹謗中傷

2021年7月23日から始まった、東京2020オリンピック。
日本でも多くの選手が次々と金メダルを獲得し、東京五輪を盛り上げてくれています。

ただ、その裏側で選手に向けた誹謗中傷が増加していることをご存じでしょうか。

今回はオリンピックにおける誹謗中傷について、なぜ誹謗中傷が起きてしまうのか、対策方法はないのかなどを解説していきたいと思います。

東京2020オリンピックにおける誹謗中傷事例

先述したように、最近では五輪選手に向けた誹謗中傷がニュースでも話題となっています。
どのような誹謗中傷があったのか、事例を見てみましょう。

テニス:大坂なおみ選手

女子テニスで注目を集めている大坂なおみ選手ですが、残念ながらオリンピックでは3回戦敗退となってしまいました。

敗退した際、出版社の徳間書店が業務委託をしていた編集者が、Twitter上で大坂選手に対して差別的な内容の投稿をしました。

これに対して多くの批判が起こり、同社は編集者との契約を解除し、謝罪文を公式HPに掲載しました。

体操:橋本大輝選手

体操男子個人総合では、橋本選手が金メダルを獲得しました。
2位となった中国人選手と競い合った上で手にした金メダルでした。

しかし、競技中にミスがあったにもかかわらず1位になったということで、特に中国ファンから採点に批判が集まり、「盗まれた金メダルだ」といった誹謗中傷が送られてきたといいます。

この件では、国際体操連盟(FIG)が採点規則を示したうえで「採点は公正で正確だった」と声明を出すと同時に、橋本選手も「誹謗中傷とみられる行為を行う人が少なくなることを願っています」とTwitter上に投稿を行いました。

サーフィン:五十嵐カノア選手

サーフィン男子では、五十嵐カノア選手が銀メダルを獲得しました。

しかし、これに対しても採点に批判が集まり、ブラジルのファンから「あなたは審判の助けがなければなにもできない」といった誹謗中傷が送られてきたようです。

五十嵐選手はTwitterにポルトガル語で投稿を行い、「我慢できません」と怒りをあらわにしました。

卓球:水谷隼選手

卓球混合ダブルスでは、水谷隼選手と伊藤美誠選手が金メダルを獲得しました。

しかし、その後、水谷選手が「とある国からDM(ダイレクトメッセージ)で心無いコメントが送られている」とTwitterに投稿したことで、誹謗中傷が明らかになりました。

「死ね!くたばれ!消えろ!」「カス」といった内容のメッセージが送られていたようです。

「”とある国”というのはレッテル貼りだ」といった批判の声もあり、該当するツイートは削除されていますが、後ほど挙げられた動画と共に水谷選手は「関係各所に連絡を行い然るべき措置を取ります」と明言しています。

なぜ起きる?五輪選手への誹謗中傷

五輪選手は今まで努力してきた成果をオリンピックで発揮しているだけであって、人格攻撃をされるような行いはしていません。

それにもかかわらず、なぜこのような誹謗中傷が起きてしまうのでしょうか。
その理由を見てみましょう。

①匿名性

まず、ネット上の「匿名性」です。

ネット上のSNSや電子掲示板などは、多くが匿名で書き込めるようになっています。

そのため、どんなことを書き込んでも大丈夫だと勘違いをしている人がいるのです。
「バレない」と考えているからこそ、過激な言葉を使ってしまうことがあります。

②性格・性向

誹謗中傷をする人の性格や性向が絡んでいるケースもあります。

世の中には、サディストなどのように誰かが悲しんだり怒ったりするのを楽しむ人がいます。

そのような人が、自分の快感のためにネットを通じて他人を傷つけようと誹謗中傷を行っていることがあります。

③正義感

正義感から誹謗中傷をしてしまう人もいます。

このような人達は、悪意で書き込みをしているわけではありません。
「悪人を成敗する」「自分の言っていることが正しい」といった過剰な正義感によって、結果として強い言い方をしてしまうのです。

特にオリンピックは国の代表が競い合う行事であるため、ファンの愛国心が暴走しやすい状況になっています。

本人にとっては愛国心から声をあげたことが、相手にとっては誹謗中傷になっている場合があります。

④集団心理

また、集団心理によって誹謗中傷をしてしまうこともあります。

SNSやネット上には、多くの人が投稿を行っています。
そんな中で周りの人が悪口を言っていると、「自分も少しぐらいは平気だろう」「周りもやっているから」と、心理的なハードルが下がってしまうのです。

その結果、安易な気持ちで誹謗中傷をしてしまう人が増えています。

⑤ネットの特性

ネットの特性が関係することもあります。

様々な研究から、故意的に攻撃的な書き込みをする人は実はごく一部である、という結果が出ています。

また、ネットでは強い思いや批判的な思いを持った人ほど積極的に投稿を行う傾向があるといわれています。

悪意をもつ人や批判的な考えをもつ人達ばかりが何回も攻撃的な投稿を行い、擁護側の人はあまり投稿をしない結果、批判的な書き込みばかりがネット上に溢れ、それが多数意見かのように見えてしまうことがあるのです。

誹謗中傷を減らすための対策法とは

誹謗中傷は人の心が関わってくるものであるため、完全になくすのは難しいものです。
しかし、少しでも減らすために取り組めることはあります。

最後に、誹謗中傷を減らすための対策について見ていきましょう。

オリンピックにおける対策

まず、オリンピックという点に注目すると、2つの方法があげられます。

⑴心理的なケア

1つ目は、誹謗中傷を受けた選手に対するカウンセリングといった、心理的ケアの充実です。

競技において、選手のメンタルケアはとても大切です。
そのため、ネットの書き込みによってメンタルが崩されないよう、カウンセラーの存在が重要です。

東京五輪でもこの対策が取られており、IOCが選手村に心理カウンセリングを用意しています。

⑵法的な支援

2つ目に、法的な支援です。

もちろん、国としても誹謗中傷に対する法整備を整えることは大切です。

しかし、選手は法律にまで詳しいわけではありません。
制度があっても使えなければ意味がないものです。

そのため、もし選手が誹謗中傷被害にあった場合に、法的措置をサポートしてくれる機関を設置したり運営側から注意喚起をしたりすることも必要といえるでしょう。

個人ができること

それでは、オリンピックに限らず、誹謗中傷を減らすために個人でできることはなんでしょうか。

これについては以下のようなものが挙げられます。

  • ネットリテラシーを学ぶ
  • 投稿をする前に内容を見直す
  • SNSの設定を工夫する
  • 誹謗中傷の被害者を応援する
  • 誹謗中傷の投稿を通報する

特に誹謗中傷を受けている人に対しては、応援することが効果的です。

先述したように、ネット上は批判的な意見の方が投稿されやすい傾向があります。
そのため、「応援している」「頑張ってください」といった被害者をを励ますメッセージが多くなれば、本人にとっても大きな心の支えとなります。

詳しくは、以下のページも併せて参照ください。

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まとめ

以上、オリンピック選手への誹謗中傷がなぜ起きてしまうのかや、対策法についてご紹介してきました。

オリンピックは世界中が注目する行事であるが故、言語や国をまたいで誹謗中傷が行われることも増えています。

誹謗中傷は、想像以上に被害者に心の傷を与えます。
自分も無意識にしてしまうことがないよう注意すると同時に、誹謗中傷をしている人がいたら通報したり被害者を応援したりして、支えていくようにしましょう。

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