発信者情報開示の仮処分と訴訟の流れをわかりやすく解説
サイトでは投稿が匿名で行われるので、すぐに相手に損害賠償請求や刑事告訴することはできません。今回は、ネットで誹謗中傷…[続きを読む]
LINE、Twitter、Facebook、Instagram…現代では様々なSNSが利用されています。
このようなSNSは便利である一方で、匿名を利用して悪質な誹謗中傷が繰り返し行われています。
特に、悪口を言ってはアカウントを削除して逃亡する「捨て垢」からの誹謗中傷は、常習性があるものも多く、被害者からしてみれば迷惑極まりませんよね。
「何度ブロックしても誹謗中傷が収まらない…こんなとき、どうすればいいの?」と困っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は捨て垢からの誹謗中傷対策・特定方法などをご紹介します!
現在利用されているSNSの多くは、簡単に複数のアカウントを作成することができます。
また、アカウントを作成する際に自分のメールアドレスを必要とするSNSも多いですが、捨てる専用のメールアドレス、所謂「捨てアド」を作成できるようなサイトもあるため、作るのに手間がかかることはありません。
そのため、捨て垢からの誹謗中傷も繰り返し簡単に行え、事例も多く報告されています。
例えば、とある男子大学生に5年ほど前から迷惑LINEが届くようになった、という話があります。
「即刻死ねって言ったじゃんか」「ブロックして逃げた気になってんの?ww」といったメッセージが毎晩何件も届き、ブロックしても新しいアカウントで送ってくるため、イタチごっこで意味がないと言います。
このように、顔も名前もわからない人から過激な悪口や脅迫が来ると、精神的に傷つくと同時に毎日怯えて暮らすしかありません。
しかし、現代においてSNSは日常生活に欠かせないもの。
友達との連絡のため、学校からのお知らせを見るためなどに利用必須なものも多く、SNSを使うのを止めればいいという単純な話ではありません。
ただ、だからといって繰り返される誹謗中傷を放置するわけにもいかないでしょう。
ここからは、SNS別に自分でもできる対策方法をご紹介します。
まず初めに、LINEでの対策方法をご紹介します。
LINEには、友達以外からのメッセージを受信しないようにできる機能があるのをご存じでしょうか。
手順は以下の通りです。
これにより、友達登録をしていない捨て垢からのメッセージは受信しなくなるはずです。
これでも来てしまう場合は、既に友達登録をしてしまい、ブロックをしていない可能性がありますので、「ホーム」の友達リストから該当するアカウントを長押ししてブロックしてみてください。
次にTwitterでの方法をご紹介します。
Twitterでは主に
の3つの手段をとることができます。
以上の方法で、捨て垢から来るメッセージの通知が来なくなります。
しかし、通知がこなくなるだけで、メッセージ自体は送られている可能性があるのでご注意ください。
「プライバシーとセキュリティ」の部分をタップすると、以下のような様々な設定を行うことができるようになります。
ツイートを非公開にすればフォロワー以外は自分のツイートを見れないようになりますし、ダイレクトメッセージを受け取れないようにすれば、影から送られてくる誹謗中傷DMを見なくてすむようになります。
自分で色々と設定をいじってみて、捨て垢対策をしましょう。
Twitterには「スクリーンネーム」と「ユーザーID」という二種類のIDが存在します。
捨て垢からの誹謗中傷は、基本的にアカウントを何個も作成して行われることが多いですが、もしかしたらスクリーンネームを変えているだけという可能性もあります。
スクリーンネームは変更可能ですが、ユーザーIDは変えることができない、つまり、ユーザーIDが同じものは同一人物であるということです。
以下のリンクでスクリーンネームからユーザーIDを明らかにすることができます。
https://idtwi.com/
これによって迷惑行為を繰り返すアカウントを見破ることができると同時に、有力な証拠にもなりますので、スクリーンショットなどで残しておくようにしましょう。
次に、Facebookでの対策をご紹介します。
以上の操作でプライバシーの共有範囲の設定をすることができます。
この設定では、自分の投稿を見れる人・自分に友達リクエストを送れる人・自分を検索して探すことができる人を制限することができます。
これは、投稿ごとに行うことも可能です。
また、写真と共に自分をタグつけできないようにもできますので、嫌がらせで写真と自分の名前がタグ付けされることも防ぐことができます。
最後に、Instagramでの対策方法をご紹介します。
Instagramでは、以下の操作で自分の投稿を非公開にし、承認済みフォロワー以外には見られないようにすることができます。
また、捨て垢を「制限」することで相手のコメントやメッセージが見れないようにすることも可能です。
今までご紹介したどのSNSでも「通報」や「報告」を行うことで運営会社に知らせることができます。
「あなたのアカウントは不適切なため凍結しました」などと正式に会社から送られてくることで誹謗中傷することをためらう可能性もあるので、やって損ではないでしょう。
ただ、運営会社がこれは違反アカウントだと認めても、そのアカウントが凍結されるだけなので、また新しいアカウントを作ってくる捨て垢対策としては効果が薄いかもしれません。
そのため、誹謗中傷を本気で止めさせたい場合は特定して直接訴えるしかありません。
先述したように、本気で誹謗中傷をやめさせたいと思う方は捨て垢の相手を特定する必要があります。
ここからは捨て垢の相手を特定~訴訟までの流れをご紹介します。
捨て垢の相手を特定するためには、個人情報を入手するため、履歴を残しておいてもらうためなどに様々な手続きを行う必要があります。
基本的には以下の手順で行います。
これらの流れは以下のページで詳しく解説していますので、ご参照ください。
捨て垢の誹謗中傷の解決が難しいのは、そのアカウントが消されてしまい、客観的に認識できるような証拠がなくなることにあります。
そこで一番重要なことが、捨て垢からの誹謗中傷の証拠を残しておくことです。
その捨て垢が削除される前に、自分に送られてきたDMやメッセージをスクリーンショットなどで保存し、いつでも提出できるようにしておきましょう。
先述した流れのなかで、「IPアドレスなどからプロバイダを特定する」という段階があったと思います。
IPアドレスやタイムスタンプというものは、所謂ネット上での「足跡」のようなもので、ここからプロバイダ(携帯会社など)を特定することでようやく相手の氏名や住所といった個人情報が手に入れられるのです。
しかし、この「足跡」には保存期間があります。
例えばTwitterは、ログデータの保存期間は最大18カ月、削除されたアカウントの復活可能期間は30日間となっています。
しかし、Twitterの捜査機関向けの説明をしているページでは、IPログの保存期間は「ごく短期間」としか明記されていません。
保存期間が過ぎると特定がかなり困難になるため、特定をしたい場合は早めに行動するようにしましょう。
以上が捨て垢からの誹謗中傷対策になります。
SNSにおける捨て垢からの誹謗中傷は、いじめのように悪質な迷惑行為です。
あまりにもひどい場合は、証拠を残して信頼できる人に相談するようにしましょう。
また、特定したい場合は早めに弁護士など専門家に相談することをおすすめします。