ネットストーカーの特徴と心理。正しい対処法は?
インターネット上では人との距離感がつかみにくいため、「親しくなった」と勘違いして起こるネットストーカーが急増していま…[続きを読む]
現代ではネット環境がどんどん便利に整えられています。
ただ、その裏側でネットストーカーが多発していることをご存じでしょうか。
SNSを利用することが当たり前になっている世の中で、被害に遭わないようにするには自衛を徹底する必要があります。
そこで今回は、Twitterでのネットストーカーに焦点をあてて解説していきます。
目次
Twitterでのストーカーを含め、ネットを介して行われるストーカーを「ネットストーカー」と呼びます。
別名「サイバーストーカー」とも呼ばれています。
家に押しかけるなど直接的にストーカー行為を行うのではなく、SNSでしつこくメッセージを送ったり、プライベートな情報を収集したりして付きまとうストーカーのことを主に指します。
アイドルや俳優など、有名人がファンによってストーカー被害に遭うこともありますが、インフルエンサーや一般人なども対象になりやすいことが特徴です。
ネットストーカーをする人は思い込みが激しかったり、プライドが高いといった心理状態にあることが多いです。
また、実際に関わりがなくても、ネットから現実的に接触を図って事件に繋がることもあるため注意が必要です。
それでは、実際にどのような事例があるのでしょうか。
簡単に見てみましょう。
2017年、女子高校生を付きまとうような書き込みをしたとして、ストーカー規制法違反の疑いで金沢医科大病院の医師が逮捕されました。
この男性は、Twitter上に「スカートをめくりたくてしょうがない」「〇〇にいれば会える」といった内容を書き込んだ他、実際に付きまとい、隠し撮りの写真も並べていたとされています。
2019年、アイドル活動をする女性にわいせつな行為をしたとして男性が逮捕された事件です。
この男性は、SNSにあがっている写真の「瞳」に反射した景色に似ている駅をGoogleストリートビューから特定し、犯行に及んだと供述しています。
また、被害者の動画から部屋の位置までも特定していたとされています。
上記のようなネットストーカーの事例はありますが、そもそもどのような行為が明確にネットストーカーだと言えるのでしょうか。
ネットストーカーも普通の(直接的な)ストーカーと判断基準は同じです。
法的に定義すると、ストーカー規制法2条1項、3項に該当する行為をするとネットストーカーにあたると言えます(2017年1月3日に改正法が施行されました)。
ストーカー規制法2条1項は以下の行為を「つきまとい等」と定義し、3項ではこれを同じ人に繰り返し行うことを「ストーカー行為」と定義しています。
上記を踏まえて、ネット上のどんな行為がつきまとい等やストーカー行為に該当するといえるのかを見てみましょう。
行為内容 | 具体例 |
---|---|
一方的にDMやリプライを送ってくる |
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誹謗中傷を書き込む |
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位置情報や個人情報を収集して悪用する、現実につきまとう |
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なりすましをする |
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無断で本人の情報を公開する |
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では、Twitterでストーカー被害に遭わないようにするためにはどのようなことに気を付ければいいのでしょうか。
ここからは対策をご紹介します。
本名は勿論、学校名や住んでいる地域など、個人情報は記載しないようにしましょう。
また、自分の写真もなるべくあげないようにすることをお勧めします。
顔が写っていれば実際に探すときの手がかりになり、制服からは学校を特定されてしまいます。
機械に慣れている人であれば、ピースサインの指から指紋を採取できてしまう場合もあるようです。
さらに、「今日から家族が旅行に行った」というようなプライベートな情報を呟くこともなるべく控えましょう。
独りであることがわかってしまうと、事件に巻き込まれる可能性が高くなります。
自分自身の写真だけでなく、近所の写真をあげることも危険です。
特に学校や公園など、1つしかなく特定しやすいものは生活圏を絞るのに好都合なため、注意するようにしましょう。
「近所の○○が火事になった」「学校に○○(有名人)が来た」というような些細なツイートも、調べれば特定できてしまうため呟かないようにしましょう。
自分も写っている写真を投稿していたり、学校名など個人情報を公開している友達のアカウントとリプライを送り合っていると、そこから特定に繋がる可能性があります。
特定をなるべく避けたいのであれば、リアルのアカウントと繋がらないようにしましょう。
上記のように個人情報を投稿するアカウントを作りたい場合やリアルのアカウントと繋がりたい場合は、鍵をかけるなどして見れる人を制限するようにしましょう。
フォローリクエストが送られてきても、誰だかわからない人は承認しないといった注意も必要です。
昔から親しく信頼できる友人と繋がるアカウントと、個人情報をあまり記載していない初対面の人と繋がるアカウントなどと、使いわけて利用する方法もあります。
ただ、裏垢などを作っても一定の友人との繋がりからバレる可能性もありますので、安心しすぎないように気を付けてください。
相手を攻撃して恨みを買ってしまうような、過激な悪口は呟かないようにしましょう。
また、相手に期待を持たせるような曖昧なリプライを送ったりすることも危険です。
不穏な兆候のある人であれば、はっきりと「嫌だ」と断ることが大切です。
電車内など外出先でTwitterを開いていると、IDやアカウント名を盗み見られてストーキングされるケースもあります。
このようなケースでは、アカウントと本人が既に結びついているため、現実の被害が発生しやすく、十分な注意が必要です。
そのため、盗み見防止のエフェクト画面になるように設定したり、Twitterを開く場所を考えて利用するようにしましょう。
ストーカー被害に遭ってしまった場合、もしくはストーカーの疑いがある場合は以下のような対処法を試してみてください。
しつこいと思ったら、無視したりブロックをしたり、アカウントを削除して接触を断ちましょう。
ただ、いきなりブロックしたりすると逆上して悪化する可能性もあります。
まずは、「止めてください」などとはっきり言って、それでも治らなかったら処置するようにしましょう。
いざとなったときに警察に動いてもらえるよう、証拠を取っておくことも大切です。
ストーカーだとわかるようなメッセージをスクショしたり、画像を保存しておいたりして備えておきましょう。
ネットストーカーは友人のアカウントにメッセージを送って情報収集することもあります。
自分の個人情報をばらされないよう、友人に相手にしないようにお願いしておくといいかもしれません。
また、先輩や上司など、一定の関わりがある人からネットストーカーをされている場合は、直接接触を図ってきたときに仲介役になってもらうよう誰かに相談しておくと安心です。
一番安心できる方法が、警察からストーカーに対応してもらうことです。
ネットでも電話でも、警察にストーカー被害を相談できる専門の窓口があります。
警察であればストーカー相手に警告を出したり逮捕してもらうことができるため、法的に対処することも可能です。
【参考】警察庁ストーカー被害相談サイト
「警察は大事になりそうだから相談しにくい」「被害がでないと警察が相手にしてくれなさそう…」と感じる場合は、弁護士に相談してみましょう。
まずは無料相談を行っているところで話してみて、その後の対応を決めることも1つの手です。
以上がTwitterでストーカー被害に遭わないようにする対処法と、事後的な対策です。
匿名でやっているから安心、と思う方もいるかもしれませんが、意外と些細な写真やツイートから自分のことを特定されてしまうのがネットの恐ろしいところです。
自分で注意できるところから気を付けてSNSを利用するようにしましょう。