SNSネットストーカー被害は弁護士相談!ストーカー規制法で対処しよう
SNSでネットストーカー被害に遭った場合、ストーカー規制法によって規制することはできるのでしょうか?ストーカー規制法…[続きを読む]
SNSで誰とでも気軽にコミュニケーションをとれる時代になりましたが、インターネット上では人との距離感がつかみにくいため、「親しくなった」と勘違いして起こるネットストーカーが急増しています。
そこで今回は、ネットストーカーの概要から特徴、心理とストーキング行為の理由、対処法までわかりやすくご説明します。
まずは、ネットストーカーの概要と実際にあった被害事例をご説明します。
InstagramやTwitterなどでフォロワーが増えてくると、多くの人と繋がることができるため嬉しい一方、怖い経験をする方も増加しているそうです。
最近問題となっているのは、ネットストーカーという現象です。SNS上でのつきまとい行為を指し、執拗に好意を伝えてきたり、DMを送ってきたりするなどの行為を繰り返すことを指します。好意を伝えるだけならまだしも、誹謗中傷の言葉を送ってきたり、個人情報を特定するような内容をネット上に晒すなど、さまざまな被害が発生しています。
ネットストーキングから、実際の事件に発展することもあるため、 SNSによる他人とのコミュニケーションは、十分な注意が必要です。
このようなストーキング行為は、従来アイドルや有名人などに行われることが多かったのですが、インフルエンサーの活動なども増え、一般人でもネットストーカーの被害に会うことが増えているのです。
相手があなたのことを気にいる、あるいはあなたの発言がストーカー気に触るようなことがあれば、ネットストーキングの被害に遭う可能性はあるということです。
ネットストーカーによる行為は多岐に及びます。実際にあった被害としては、以下のような事例があげられます。
「ストーカー」と聞くと、相手に行為を持っていることが前提と考えられそこから憎悪に発展するケースが一般的ですが、中には「相手の発言が気に食わない」として誹謗中傷を繰り返す人もいます。一度だけでなく、何度も繰り返し嫌がらせ行為を行ってくる人はネットストーカーといって間違いないといえるでしょう。
なぜネットストーキングを行うのでしょうか? ネットストーカーの特徴とその心理・理由を見ていきましょう。
ネットストーカーの特徴としては、性格の特徴と実際の行動の特徴にわけることができます。実際に被害に遭っている方は、下記の特徴を当てはめてみてください。
性格の特徴としては、プライドが高く、思い込みが激しい人がネットストーキングを行いやすいといわれています。SNS上のコメントやキャプションで何かを書いた場合に、「これは私のことを言っている」と考え、嬉しくなったり、激昂したりする人は思い込みが激しいタイプといえます。
批判されたら執拗に反論するのもプライドが高い特徴です。人の意見には耳を貸さず、ときには都合の良いウソをつく傾向もあります。相手に対し、異常な執着を見せるのも特徴です。
実際の行動としては、SNSの更新頻度が高く、フォローしている人の投稿に即座に反応します。SNS上の距離感が異常に近く感じる場合は、ネットストーカーの可能性があります。
「◯◯にいましたよね?」など行動パターンを把握するような発言も注意が必要です。
また、返信していないのに何度もメッセージを送りつけて来る、「◯◯がすきですよね」、「××にお住まいですか?」など個人情報を把握しようする行動をとることもあります。
ネットストーキングは、本人が気づかず行っているケースも多いそうです。なぜこのような行為を行ってしまうのでしょうか?
ネットストーキングを行う人は、孤独感が強い人といわれています。実生活上で孤独を感じていると、インターネットの世界にのめり込む人がいますが、その中でつながりが生まれると、そこに居心地の良さを感じます。
ここまでは普通のことであり、若い世代がSNSなどで友人関係を築いていくのと同じです。
しかし、その“つながり”に執着してしまうと問題になります。ある特定の人と「気が合う」「相手も同じはず」と考えると、相手の一挙一動が気になります。相手の行動全てが把握したくなり、執着心に変わってしまうのです。執着は、やがて支配欲にかわり相手を独占したくなります。
そのため、居場所を把握する行動をとってしまう、自分の意思と違う拒絶行動をとられると激昂して、誹謗中傷などを起こしてしまうなどの問題行動につながります。
好意から発展するだけでなく、自分と違う意見を持つ人に対して「貶めよう」という行動をとる人も、異様な執着心からそのような行動をとってしまうのです。
このような行動には、ネット上でいつでも相手の情報が手に入る・伝えられるという背景もあります。現実の人間関係とは異なり、自分の都合で相手にいつでも自分の気持ちを伝えられますし、SNSをチェックするだけで相手の行動まで把握できてしまいます。そのため、執着心が加速し、問題行動に発展しやすくなっているのです。
次に、ネットストーカーの正しい対処法とNG対処法を見ていきましょう。
ネットストーカーによる誹謗中傷被害、付きまとい被害などにあった場合は、警察に届け出るのが一番良い選択です。
ストーカー規制法では、直接の付きまとい行為はもちろん、ネット上のストーキング行為も規制しています。2016年までは直接の行為のみしか規制できなかったのですが、法律の改正により、Instagram、Twitter、Facebook、LINEなどでのストーカー被害についても対処できるようになりました。また、以前は起訴するために被害者からの告訴が必要だったのですが、そのような申し出がなくとも検察官の意思で起訴できるようになったのです。起訴までのハードルが下がったことなどから、警察の協力体制も強化されています。
もしネットストーキングの被害に悩んでいる場合は、警察に相談するのが一番です。ストーカーを未然に防ぐために警察庁が作成したポータルサイト(https://www.npa.go.jp/cafe-mizen/)などもあるため、一度確認してみると良いでしょう。
ネットストーカーを加速させないために、やってはいけない行動もあります。具体的には以下のような行動です。
いきなりブロックする、全無視するなどの行動は、完全な拒絶行動です。これをすると、ストーカーは激昂し、誹謗中傷行動が加速化する傾向にあります。執拗な行動をとられたら、まずは明確に「やめてください」と伝えましょう。
それから、問題行動が治まらない場合は、ブロックするなどの行動をとってください。
また、SNSの投稿では、位置情報がわからないようにすること、写真の背景などに気をつけること、個人情報となる住所や本名はネット上に晒さないようにすることが大切です。
また、ストーキング被害に遭っている間は、できる限り複数で行動するようにしましょう。
警察に行くことに躊躇される方は、弁護士に相談してみるのも1つの選択肢です。被害者の代理人として警察に被害を報告してくれるだけでなく、実生活に被害がでている場合は、接見禁止の仮処分などの申し立ても行ってくれます。
最近では、インターネットトラブルを専門に取り扱う弁護士も多く存在します。ネットトラブルと法律のプロに任せることで、穏便に解決を図ることを相談してみるのも良いのではないでしょうか。