リベンジポルノの原因・心理と対処法
目次
TwitterやSNSで、なぜリベンジポルノは起こる?
TwitterやLINEをはじめとするSNS上での「リベンジポルノ」が社会問題となっています。
まずは、リベンジポルノがどのような犯罪か、そしてどうしてそのようなことをしてしまうのか、その心理や原因、背景についてご説明します。
リベンジポルノの意味
最近若い世代で社会問題となっている「リベンジポルノ」という犯罪の意味をご存知でしょうか?
リベンジポルノとは、その名の通り、復讐のために元恋人や好意を持っていた人の性的な動画や写真をインターネット上にアップロードすることを指します。日本では、2014年にリベンジポルノ防止法が施行されるなど、被害の多さをうかがい知ることができます。
警視庁が行なった調査によると、リベンジポルノで被害者となってしまうのは、多くの場合20代の若い女性です。
元彼がストーカー化し、恋人同士だった頃に同意の上で撮影した性的動画をインターネット上に拡散されてしまうことが多いのです。
「拡散されたくなかったら、復縁しろ」と脅迫行為に及ぶこともあるようです。
また、不特定多数の人が見ることができるように拡散するケースもあれば、TwitterやFacebookやLINEなどを通し、被害者を知る複数の人に対し動画や画像を公開することで復讐を図る人もいます。不特定多数の場合も恐ろしいですが、自分を知っている人に性的な動画を見られてしまうことほど辛いことはありません。
リベンジポルノは、元々欧米で犯罪化されたものか日本にもやってきたといわれています。海外の人の方が、カップルで楽しむために性的動画を撮ることに対し女性であっても抵抗がない人が多く、「撮る人も悪い」「自業自得」という風潮は日本に比べると少ないといえます。
リベンジポルノの原因や心理
ではなぜリベンジポルノのような犯罪が起きるのでしょうか?その原因や心理には、以下のような理由があると考えられています。
- 元恋人に対する復讐心・ストーカー化
- 特定の異性に対する支配欲
- 女性を「物」化しているから
知らない人からハッキング被害に遭い、性的動画が晒されてしまうということもありますが、ほとんどの場合は元恋人による犯行です。別れ方が悪かったのか、元恋人が相手に対する失恋の気持ちを乗り越えることができず、別れた原因は相手にあると考え、復讐したいと考えるようになります。
恋愛感情のもつれから相手が傷つくことをしたいと考えるようになり、性的な動画や写真をSNSなどに拡散してしまうのです。元恋人に対する復讐心、嫉妬、恋愛感情などからリベンジポルノを起こしてしまいます。
またリベンジポルノのような行動に出てしまう人は、特定の異性に対する支配欲が強いケースがあります。相手を独占したいを超えて、支配したいという気持ちから相手が一番嫌がることをすることで相手を自分の手の中でコントロールしているような気持ちになるのです。プライドが高く、女性や他人を見下すような発言をしていたという場合は要注意です。
さらに、男性の場合は女性を「物」として見てしまう人がいます。通常なら、そのような動画を流せば動画の中に写っている彼女がひどく傷つくことがわかるはずです。しかし、女性を物として見ることで相手の気持ちが考えず、リベンジポルノのようなひどい行動に出てしまうのです。自分の欲求を満たすために動画を撮り、相手が気に入らなくなったらそれを武器に使い、相手を社会的に抹殺することは相手を物として見ている証拠と言えるかもしれません。
このように、リベンジポルノの犯罪を起こしてしまう人は、上記のような心理や理由で行っている可能性があります。
リベンジポルノが起こる背景
「リベンジポルノなんて自分には関係ない」
女性であってもそう思ってしまう方は多いでしょう。男性の場合は、「自分はそんなことしない」と考えるかもしれません。しかし、実は自分は当事者ではないと考えることが問題を大きくしてしまうのです。
最近では、恋人とのキスやハグの写真をTwitterなどのSNS上で公開することに抵抗がある人は少なくなっています。気軽にスマホで写真や動画を撮ることができ、別れたときは削除すれば良いと考えるからです。恋人同士の記録を動画や写真でスマホに残しておき、世間に公開することはもはや珍しくもなんともありません。
この延長線上に性行為の写真や動画があります。気分の盛り上がりから性的な動画や写真を撮ってしまい「後で消せば良い」と考えるのです。しかし、実際には男性側が消すことはなく別れても動画が残り続けます。
このように恋人同士の記録をスマホに残すことやTwitterなどのSNSに公開することの容易さや抵抗感の少なさが、プライベートで性行為の写真や動画を撮ることにつながっているのです。そして、性行為の動画等を撮ることにより、別れたときに利用されてしまいます。
リベンジポルノ被害を受けたら|解決策・対処法
次に、リベンジポルノの被害にあったら、すべき解決策・対処法をお伝えします。
SNSや掲示板の運営元に削除要請をする
もしリベンジポルノの被害にあったら、まずは相手に動画を削除するように伝えましょう。すぐに動画を削除してくれなかった場合には、運営元に削除要請を直ちに行うべきです。ポルノに関連する動画は、他のメディアよりも拡散スピードが早く、一生インターネットに残り続ける可能性も否定できません。そのため、できるだけ早い段階で削除をしてもらう必要があります。
TwitterなどのSNSや掲示板に拡散されてしまった場合には、各運営元のサポートページや問題報告フォームを使って、手順に沿って削除申請を行います。このとき、削除すべき理由を詳しく書くことで削除してもらえる可能性も高くなります。ポルノ画像の場合は、どのSNSでも早く対応してくれる可能性は高いですが、念のため、以下の内容を必ず記載するようにしてください。
- 当該動画・画像は申請者のプライバシーを侵害するものであること
- 同意なく撮影された動画である、あるいは同意なく公開された動画であること
- 性的動画であり、被害が甚大となること
これらの理由を説明すれば、通常は削除に応じてくれるはずです。
弁護士に相談し、損害賠償請求を行う
相手を許せない場合は、弁護士に相談して損害賠償請求を行うこともできます。勝手にプライバシー侵害に当たる動画を不特定多数の人に見せたのですから、名誉毀損あるいは不法行為に基づく損害賠償請求を行うことができます。慰謝料に関しては、少なくとも100万円、場合によっては数百万円を請求することも可能です。相手に二度とこのような行動を起こさせないためにも、弁護士に相談して損害賠償を請求するということは有効であるといえるでしょう。
また例外的に、犯人がわからないというケースもあります。スマホがハッキングされて、中の動画が拡散されてしまったような場合です。この場合は、まず加害者を特定する必要があります。発信者情報開示請求を行うことで、相手のIPアドレスを掲示板やSNSの運営元に公開してもらいます。仮処分が出たら、次にプロバイダに対し発信者情報開示請求を行い、犯人を特定します。その上で損害賠償を行うことが可能となります。
このように、弁護士に相談して損害賠償を請求するという対処法も相手に反省させるためには有効です。
警察に被害届を提出する
リベンジポルノ被害にあった場合には、警察に報告することで相手を逮捕できる可能性があります。
リベンジポルノ防止法では、性的画像等を公表した場合には、公表罪として、「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」、画像を他人に提供した場合には提供罪として、「1年以下の懲役または30万円以下の罰金」に処される可能性があります。実罪に有罪判決が下され、懲役刑の判決が下されたケースもありますので、警察に通報することで相手に適切な処罰を下すことができるでしょう。
リベンジポルノの被害に遭わないよう防ぐ方法
最後に、リベンジポルノ被害に遭わないようにする予防策をお伝えします。
リベンジポルノの被害に遭わないためには、「性的な動画や写真を撮らないこと」以外にありません。いくら好きな人に要求された場合でも、頭のどこかで「将来別れるかも?」という気持ちを持っておいてください。10代、20代の間にはたくさんの出会いと別れがあります。将来的にいつか後悔することになるかもしれないという想像力が、あなたを救います。
「彼に嫌われてしまうかもしれない…」
若い女性の多くは、動画や画像を断ると「嫌われるかもしれない」という気持ちになります。もし動画や画像を断って、相手が嫌な顔をするようであればその時点で別れるべきです。「みんなやっている」といわれても、相手に同情する必要はなく、性欲に支配されたかわいそうな人と思えば良いのです。あなたが嫌がることをさせるような人は、運命の相手ではありません。その彼のことは忘れましょう。
性的な動画はいつか相手に武器として利用されてしまう可能性があります。リベンジポルノの9割は元恋人が行うのだということを忘れないでください。
リベンジポルノ被害に遭ったら、弁護士に相談を
リベンジポルノ被害に遭ったら、動画・画像を削除させること、そして相手に反省させることが大切です。警察に報告する、弁護士に相談するなど適切な対処をとるようにしましょう。
性的被害の問題は同性の弁護士を選ぶことで、他人に話すハードルが少し下がります。ご自身でどうしたら良いか分からなくなったら、専門家である弁護士に相談してください。