バイトテロ投稿者&バカッター特定・個人情報公開に法的責任はない?
最近、YouTube、インスタグラムやツイッターなどのSNSで、アルバイト店員が勤務先で撮影した無茶な動画や画像の投…[続きを読む]
Twitterで共感されるツイートを投稿し、何万人ものユーザーがリツイートしてSNSで話題になることを、一般的に“バズる”といいます。
芸能人にしろ一般人にしろ、「バズりたい」「注目されたい」という思いを持つ人もいらっしゃるでしょう。
しかし、その思いが強すぎて過激な投稿をしてしまい、悪い形でバズってしまう───つまり炎上してしまうことがあります。
今回は、Twitterでの炎上事件について、炎上が起きる理由や事例まとめなどをご紹介していきます。
まずは、今までにどんな炎上事件があったのか見てみましょう。
芸能人やインフルエンサーといった有名人はフォロワーが多く、不適切なツイートをしてしまうと瞬く間に拡散されて炎上するケースが多発しています。
このように、注目のトピックに対して自分の意見や批判をツイッター上にあげたり、突発的な怒りをツイッターにぶつけてしまって炎上するケースがあります。
プライベートでツイートすべきものを間違って公式アカウントに投稿し、炎上するパターンもあります。
ごまかそうとして「乗っ取られた」と言い訳をし、さらに炎上したケースもあるようです。
プライベートで利用している裏アカウントがバレたり、その裏アカウントでの不適切なツイートが問題となり炎上するケースがあります。
従業員や企業のTwitterアカウントでも炎上事件が多発しています。
以上のように、企業が公式アカウントで常識的に不適切なツイートをしたことで、炎上するケースがあります。
Twitterはマーケティング効果を狙うこともできますが、このような炎上が発生すると逆に企業の評価が下がったり顧客からの信頼を失うといったリスクを負うことになります。
企業の従業員やその親族、会社内で地位のある人が問題のある書き込みをすると、その企業の教育体制に批判が集まります。
近年では、従業員へのネットリテラシー教育も社会における企業の責任の1つとなっているのです。
一般人でも、過激な内容をツイートすることにより炎上するケースもあります。
2013年9月21日、衣料品チェーン「ファッションセンターしまむら」の女性店員に土下座させ、その写真をツイッター上で公開した女性がいました。
その画像は一気に大炎上し、多くの批判が集まりました。
投稿者は炎上し始めるとすぐにアカウントを削除しましたが、その行動にも非難が殺到し、その後もしばらくTwitter上で大きな騒ぎとなりました。
Twitterの炎上は、「バカッター」と呼ばれる学生によって不適切動画の投稿がブームとなった時期もありました。
特にアルバイト現場で撮影されることが多いことから、「バイトテロ」等とも呼ばれることもあります。
恐らく軽い気持ちで投稿してしまった学生が多いのではないかと思いますが、実はこれらの行為は「業務妨害罪」といった犯罪にあたることがあります。
実際、上記の問題ツイートを投稿した学生の中には、逮捕されたり停学処分を言い渡された人もいます。
目立ちたいからと、安易な気持ちで犯罪になるような投稿をすることは絶対にやめましょう。
上述したようなバイトテロや問題ツイートを投稿した場合、所謂「特定班」と呼ばれる人に個人を特定され、名前・住所・年齢・所属学校・職場などの情報が晒されることがあります。
不適切動画やツイートと一緒に個人情報が拡散されると、特定された人のその後の将来に多大な影響を与えます。
もちろん、不適切動画をツイートした人が悪いことに変わりはありませんが、このように個人を特定して晒し上げる行為も、刑事上・民事上の責任を追及される可能性があるので注意が必要です。
それでは、上記のような炎上事件はなぜ起きてしまうのでしょうか。
考えられる原因を見てみましょう。
Twitterは、今や世界中の人々が当たり前のように利用する大きなSNSサービスとなっています。
下記は、日本国内における2019年の主要SNSの利用状況です。
MAU数(月間アクティブユーザー数) | 2019年新成人における利用率(n=500) | |
---|---|---|
LINE | 8200万 | 95.8% |
4500万 | 78.4% | |
3300万 | 60.2% | |
2,600万 | 20.0% |
ここからわかるように、日本でも多くの人が様々なSNSメディアを利用しています。
Twitterのユーザー数も非常に多く、2020年においては20代・30代の若者が全体の57.8%を占めていると言われています。
多くの人が利用しているということは、それだけ多種多様な価値観を持っている人が集まっているということです。
ある人からすれば気にならないツイートであっても、ある人からすると不快だと捉えられ、そこから炎上に繋がっていることがあります。
加えて、人が多く伝播性や拡散力が強いことも炎上が起きやすい理由の1つといえるでしょう。
TwitterはFacebookなどとは違い、匿名で使う人の割合が多いです。
この匿名性から「何を言ってもバレないだろう」と考え、現実では口に出せないような過激な言葉でも簡単に投稿してしまう人がいます。
そして過激な言葉が行きかっていると、「他の人もやっているから」という心理が働き、多くのユーザーがより攻撃的になってしまっているのです。
近年でも、度を過ぎた誹謗中傷や誤解による無関係な人への攻撃などが問題になっています。
また、匿名で裏アカウントなどを作って愚痴を呟いていたところ、間違えて公開アカウントで呟いてしまったという誤操作による炎上(誤爆ツイート)も起こり得ます。
プライベートアカウントや裏垢は芸能人でも一般人でも本音が出やすく、ツイートで不適切な発言を繰り返しているケースも少なくありません。
そのため、公式アカウントで誤って本音をツイートしてまうと、恰好の餌食となってしまいます。
実は、世界中の人が炎上に加担しているかと言ったらそうではなく、大きく騒ぎ立てているのはごく一部の人であると言われています。
そのごく一部の人が執拗に繰り返し騒ぎ立てていることにより、一見多くの人が寄ってたかって攻撃している様に見えているのです。
このように、少数の意見が先鋭化し、大多数の意見のように見えてしまうという現象は「サイバーカスケード」と呼ばれています。
インターネット上では同じ意見を持つ人が繋がり、先に一極化した結論が出やすくなっています。
それにより、正しいとは限らない見解が「みんなそう言っているから」という理由で広まり、炎上が起きているのです。
もし炎上してしまった場合には、真摯に対応することが必要です。
特に企業や公式アカウントでは、対応によって社会的評価を回復するか落とすかが決まることもあります。
炎上ツイートを直ちに削除するのではなく、それに対して丁寧な謝罪をし、何が原因だったのかを冷静に分析することが大切です。
個人アカウントであればアカウントを削除して逃げるといった手段もとれなくはありませんが、炎上ツイートはスクショなどにより保存されていることが多いため、削除したからといってすぐに解決できるわけではないことに注意してください。
また、炎上被害が大きい場合は弁護士などの専門家に相談することも1つの手です。
炎上を未然に防ぐためには、よく考えてTwitterに投稿する内容を決めることが必要です。
以上のように、感情に任せてツイートをするのではなく、その投稿をしてもいいかどうか一度確認するようにしましょう。
また、炎上保険や炎上を防止するサービスを提供している企業もありますので、それを活用するのもいいでしょう。
炎上対策や火消し方法については以下の記事で詳しく書いていますので、ご参照ください。
今回は、Twitter炎上の事例を中心に説明しました。
不用意な発言をしてしまったという事は自分自身のミスになりますが、その情報に反応して炎上が起きたときの被害は甚大なものとなります。
また、芸能人であっても一般人であっても、ネット炎上を速やかに収束するケースもあれば、悪化させることもあります。
特に企業側は、ネットを専門に扱っている弁護士と一緒になってコンプライアンスを重視した対策をとることが重要です。
Twitterは一度炎上してしまうと終息させるのは大変です。
特に一般人も炎上に巻き込まれることが多いですので、注意や配慮をした情報発信に心がけるようにしましょう。