インスタの画像・写真を勝手に使われた!対処法&予防策は?

インスタ画像を勝手に
「私のインスタの写真が勝手に使われてる!?」

そんな経験をしたことがある人も、少なくないのではないでしょうか。

近年では、インスタ画像の無断転載が大きな問題となっています。
しかし、無断転載を見つけてもどうすればいいのかわからない人も多いでしょう。

そこで今回は、自分のインスタ画像が他人のアカウントやサイトに無断転用されていた場合の対処法・予防法についてご説明します。

自分のインスタが無断転載されてる?|よくあるトラブル事例

現代ではSNSやインターネットの普及に伴い、ネットトラブルが年々増加しています。

その中でも若い女性に人気である「Instagram」では、気軽に画像をアップしたり、友達の写真に”いいね”できたりする一方で、著作権の知識を持っていない人により多数の問題が発生しているのです。

まず最初に、どんなトラブルが起きているのか簡単に見てみましょう。

①画像を勝手に知らないサイト・ブログに使われていた

まずはサイトやブログへの無断転載の事例です。

あるサイトを覗いたら自分の写真が勝手に載せられていた、なんて経験は実は少なくないのかもしれません。
何の連絡もなく、勝手に利用されていたらびっくりしますよね。

顔写真がアダルトサイトなどに登録されてしまい、変なダイレクトメールが増えたという事例もあります。

②友達に自分や子供の写真が勝手にアップされていた

次によくあるのは、友人や知り合いが勝手に画像をアップした事例です。

鍵アカウントで知り合いしか見ないのであればあまり問題はありませんが、全体に公開されているアカウントで自分の写真や子どもの写真が勝手に載せられていると嫌な気分になることもあるでしょう。

特にお子さん場合には、安全面から不安になる方も多いことと思います。

③自分の画像が商用利用されていた

最後に、商品の販売サイトなどでの転用事例です。

メルカリやフリマサイトなどで、実際の商品の写真ではなく見栄えの良い他人のインスタ画像が利用されていることがあります。

詐欺に加担しているのでは、と考えると心配になりますよね。

このように、Instagramに関連してさまざまな無断転載トラブルが発生しているのです。

インスタ画像と著作権

「著作権で保護されている物については、勝手に転載したり、複製したりしてはいけない」ということをどこかで見聞きしたことがある方も多いのではないでしょうか。

インスタの画像や写真も著作物(著作権法2条1項1号、10条1項8号)として、写真を撮った人に著作権があります。

原則として、他人の著作権を侵害するような「無断転載」「複製」などは著作権者の許諾がない限り禁止されています。

もし勝手に著作権侵害にあたる行為をしてしまった場合には、著作権法により以下のような罰則が科されます。

  • 10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金、あるいは併科
  • 3億円以下の罰金(法人の場合)

もっとも、どんなケースでも罰せられるというわけではありません。

というのも、著作権侵害に関しては「親告罪」となっており、著作権者本人が通報しない限りは罰せられないからです。

また、私的利用(自分のスマホに保存するだけなど)は罰則の対象外となります。
あくまで不特定多数の人に向けて発信したり、公に利用したりすると問題になります。

たまに他人の画像に文字などを加えて、修正した上でアップしている人がいますが、このような勝手な編集作業も著作権侵害となるので注意しましょう。
例えば、他人の顔写真を加工してアダルトサイトに転用する事例などは、「翻案権」や「同一性保持権」という著作権・著作者人格権を侵害しうるものです。

上記以外にも、民事訴訟で差止請求や不法行為に基づく損害賠償請求などをされる可能性や、肖像権などの他の権利も問題となることがあります。

インスタの利用規約

インスタの利用規約にも、禁止行為一覧に以下の記載があります(2021年5月28日現在)。

「他者の個人情報や秘密情報を許可なく投稿したり、知的財産権などの他者の権利を侵害したりする行為(著作権侵害、商標侵害、偽造、海賊品など)は禁止されています。」

つまり、他人の画像や動画を勝手に無断転載する行為は、インスタグラムの投稿においても禁止されているということです。

そのため、著作権侵害と判断できる場合は、インスタの利用規約違反として報告して対処してもらうことが可能です。

これは違法?適法?転載・引用方法を確認しよう

とはいえ、何が違法で合法なのかわからない人もいるでしょう。
合法な利用方法について確認しましょう。

適法なケース

①リポスト

リポスト機能とは、他人の画像投稿を自分のアカウントで投稿することができる機能です。

リポストの場合は画像上部に本来の投稿者が表示され、投稿元のアカウントにも通知がいくことから、著作権違反とならない「引用」であると考えられています。

そのため、基本的に適法な転載だといえるでしょう。

ちなみに、投稿元がリポストを良しとしない場合は削除することもできます。

②引用

著作権者の同意がなくとも、引用にあたる場合は違法とはなりません

引用とは、本・記事・論文・ブログといった自分の著作物に他人の著作物の一部を取り入れることです。

引用には厳しい要件(著作権法32条)がありますが、インスタグラムの画像にという点に注目すると、以下をクリアしていれば適法となります。

  • 出典の明示がある
  • 引用部分が主従関係の「従」となっている
  • 引用部分だと明らかにわかる
  • 必要な範囲内のみでの引用である

少しわかりにくいですが、一番重要な点は「出典の明示」です。
インスタグラムのアカウント名の明示などがあることが必要です。

また、『「従」となっている』というのは、画像自体が記事などの主人公となっているのではなく、あくまで脇役として何かを説明するために使われていることを指します。

これは自分の著作物の文章の量や要点などによって判断が変わってきます。
引用著作物自体がメインとなっていないかどうかに注意しましょう。

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「埋め込み機能」を利用した転載は適法?

インスタグラムの「埋め込み機能」というものをご存知でしょうか。

画像をクリックするとインスタグラムのアカウントに移行する仕様になっており、サイトやブログなどに簡単にインスタの画像を載せられるようになっています。

従来では、この埋め込み機能は著作権侵害ではないとされていました。
詳細な理由は複雑になるので省略しますが、簡単に言えば、インスタの利用規約には「サブライセンス可能な、全世界を対象としたライセンスを弊社に付与するものとします。」という文言が含まれており、埋め込み機能はインスタのサブライセンスの付与にあたると考えられていたためです。

2020年には、外国で、許可を得ずに使う埋め込み機能は著作権侵害にあたらないという裁判例と、現時点では判断できないとするものが出ています(※)。

※裁判例
◎マッシャブル訴訟(2020年4月)
IT系のニュースサイト「マッシャブル(Mashable)」が報道写真家の写真をInstagramの埋め込みAPIを使って記事に埋め込み、著作権侵害として訴えられた事件です。ニューヨーク州の連邦地方裁判所は、Instagramの利用規約を根拠に「著作権違反には当たらない」という判決を出しました。
◎ニューズウィーク訴訟(2020年6月)
米国の週刊誌「ニューズウィーク(Newsweek)」がカメラマンの写真をInstagramの埋め込みAPIを利用して使用し、著作権侵害で訴えられた事件です。「Instagramの利用規約には、投稿写真のライセンスを提供しているか十分な証拠がない」として訴えが却下されています。

これらを受けて、2020年6月にInstagramから「埋め込み機能にはサブライセンスが付与されない(埋め込み機能であっても著作権侵害になりうる)」という趣旨の公式見解が発表されました。

各国の著作権法の問題でもあるため、必ずしも利用規約がすべてではありませんが、現在では、原則としては埋め込み機能を使用する場合であっても、原著作者の許可が必要と考えるべきでしょう。

なお、今後は埋め込み機能の許可を原著作者が個別に設定できる機能の追加も検討されており、その場合は許可されているかどうかで判断できることになります。

画像を削除してもらうには?削除依頼方法&予防策

ここからは、自分のインスタが無断転載されたときの削除方法と予防策をご紹介していきます。

他人が無断転載した場合

まず、知らない他人がInstagram内、もしくはInstagram外(他サイトやSNSなど)で無断転載をしていたときの対処法をご紹介します。

①Instagram内の無断転載

インスタグラムの中で無断転載を発見した場合は、運営側に報告することで無断転載の投稿を削除することができます。
方法は以下の通りです。

  1. インスタグラムのアプリで該当する無断転載の投稿画面を開く
  2. 投稿の右上の「…」をクリック
  3. 「報告する」→「不適切である」→「知的財産権の侵害」を選択
  4. 「ヘルプセンターで報告」をクリック
  5. 文章中にある、「詳しくは『こちら』」をクリック
  6. 文章中にある、「こちらのフォーム」をクリック
  7. 「著作権」→「著作権の報告で続行」→「私の著作権を侵害していると思われるコンテンツがある」→「著作権侵害の報告を進める」を選択
  8. 必要事項を入力

必要事項については以下の情報を入力します。

【連絡先】

  • 著作権所有者(自分自身または自分の団体)
  • 氏名
  • 職務(所有者、役員または取締役)
  • 住所
  • 電話番号
  • メールアドレス
  • 権利者の名前(自分の名前)
  • 権利者の所在地

【報告するコンテンツ(著作権侵害にあたる投稿)】

  • 該当するリンクまたは配信ID
  • 報告理由

【自分の著作物】

  • 該当する著作物の種類
  • 著作物を確認できる場所(リンクやアカウント等)
  • 添付ファイル

最後に、宣言文の確認と署名を行って送信すれば完了です。

②Instagram外での無断転載

Instagram外のサイトやSNSで無断転載をされた場合は、それぞれの運営会社に報告します。

通常のサイトやSNSであれば、お問い合わせフォームや通報機能が用意されています。

これらに従って、必要事項を記入・問題画像を指摘の上、「無断転載のため、削除してください」と削除依頼をしましょう。

友人・知り合いが無断転載した場合

もし、友人や知り合いが無断転載を行っているのであれば、配慮が必要です。
というのも、その後の関係悪化に繋がる恐れがあるからです。

友人・知り合いによる無断転載の場合は、「友達だしこれくらい大丈夫」と思っているか、著作権の知識が全くないケースが多いです。

相手は悪いことをしている意識がないケースも多いため、できるだけ穏便に解決することが大切といえます。

通常であれば、先にご紹介したようにインスタグラム本社に通報する方法をとりますが、友人や知り合いの場合は直接言ってみましょう。

「インスタグラムの写真なんだけど、できればこの写真使うのやめてほしいな」
「子どもの顔写真はネットにアップしないようにしてるの」

上記のように、和やかに言えば相手もわかってくれるはずです。
一方的に怒って伝えると、人間関係トラブルに発展してしまう可能性があるので気をつけてください。

インスタ画像が無断で利用されないための予防策

最後に無断転載を防ぐための予防策をお伝えします。

一番良いのは、インスタグラムのアカウントのトップ画面に「無断転載NG、埋め込みNG」と記載しておくことです。
同意が必要な場合は、その旨も書いておくと良いでしょう。

また、埋め込み許可・拒否の機能が追加された場合は、その機能も使用しましょう。

事業主の方で商品写真を載せている場合は、ロゴを写真に掲載しておくのも効果的です。

仮に無断転載が行われても、改変されない限りはロゴによって誰のものであるか一目で明らかにすることができます。
そうすれば、運営側が正当なコンテンツと違反コンテンツを判断しやすくなるでしょう。

著作権侵害は弁護士に相談を

ただ、どの予防策も絶対的な効果を有するわけではありません。
無断転載が禁止であることを伝えていても、勝手に使用されてしまうことがあります。

上記の方法では無断利用の投稿が削除されず、どうしても削除してほしいと考える場合には法的に対処することが必要です。

この場合、無断転載の画像の削除(削除の仮処分や差止請求など)を行ったり、民事訴訟で損害賠償請求をしたりすることになります。

しかし、一般人が一人で手続きを行うには困難がつきまといます。
そのため、法的な対応を検討するときには弁護士に相談するようにしましょう。

弁護士であれば、投稿の削除や無断転載者の特定などを迅速に行ってくれるでしょう。

特に意図しない利用目的(アダルト系・ダイエット系・美容系など)の場合は、拡散される前に早急に対処したいものですよね。
このように急ぎの場合は、特に弁護士に相談されることをおすすめします。

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