送信防止措置依頼書の書き方【入門編】
プロバイダ責任制限法では、被害者に「送信防止措置請求権」「発信者情報開示請求権」を認めています。誹謗中傷の該当記事を…[続きを読む]
お店の予約や順番受付などができ、行列を気にせずお店に行ける「EPARK」。
このサイトでは口コミも投稿でき、評判を参考にしてお店を決められるというメリットがあります。
その一方で、嘘で悪い口コミが書き込まれると、店側は悪影響をダイレクトに受けてしまいます。
そこで今回は、悪質な口コミによって被害を受けないよう、EPARKの評判・口コミを削除する方法をご紹介します。
「EPARK」とは、人気施設の予約や順番受付をすることができるサイトです。
テイクアウト、グルメ、リラク・エステ、歯科など15種類のジャンルからお店を選び、予約と順番待ちの受付を行うことができます。
また、会員になると商品券やポイント付与、誕生日特典といった様々なサービスを受けることができます。
毎月40万人以上に登録されており、現在も会員数が伸び続けているようです。
多くの会員に利用されている「EPARK」ですが、問題となるのが店舗情報に悪質な口コミが投稿されてしまうことです。
どんな口コミが投稿されるのでしょうか。簡単に見てみましょう。
以上のように、誹謗中傷や名誉毀損となるような口コミが投稿されることがあります。
このような書き込みは、嘘は勿論、本当であったとしても名誉毀損罪にあたる可能性があります。
また、誹謗中傷の対象になった個人としても深刻な問題ですし、お店への影響も大きいため、情報が拡散される前に投稿を削除したいものです。
このような風評被害を引き起こす口コミが投稿されると、店の売上や顧客の獲得に大きく影響を及ぼします。
一番店の信頼を落としやすい、悪質な口コミです。
単に数字の羅列がされていたり意味不明の文字列が書かれている口コミは、直接批判をしているわけではありませんが、間接的に店の評価を落とすことがあります。
また、宗教の勧誘や選挙の宣伝といった店と全く関係がない口コミがされていると、気分が良いものではありません。
それでは、ここからは上記のような口コミを削除する方法をご説明します。
EPARK専用の報告フォームから削除申請をする方法です。
初めに①口コミの利用規約を確認し、②フォームで報告をしていきます。
口コミは、単純に「悪い評価だから」という理由だけでは削除することができません。
サイトの利用規約や法令違反の内容でない限り削除は殆どされないので、まずは利用規約を確認しましょう。
EPARKの口コミ利用規約には以下のような投稿が禁止されています。
【参考】EPARK:口コミ利用規約
ここから、報告する口コミに該当する項目をメモしておきましょう。
利用規約を確認したら、フォームから違反報告をします。
操作は以下の流れを参考にしてください。
③で削除依頼文を記入する際には、口コミの「どの部分が」「どの規約(法令)に」違反しているのかを丁寧に記載しましょう。
申請者が誰かわかりやすくなるよう、自分の名前や運営している店の名前なども一緒に記載しておくと更に良いかもしれません。
また、実際に被害を受けた場合にはその証拠を添付したり、文面で追記しておきましょう。
ただし、最終的に削除を決めるのはEPARK運営側なので、この方法では必ずしも削除されるとは限らないことに注意してください。
EPARKには、本家のサイト以外にも美容に特化した「EPARKビューティー」「EPARKリラク・エステ」といった姉妹サイトが存在します。
これらのサイトでも口コミが投稿できるのですが、報告ボタンがないサイトもあり、通常の問い合わせフォームから連絡するしかない場合もあります。
また、各サイトによって報告・削除申請の方法が変わるので、ここでは「EPARKビューティー」の報告方法だけ簡単にご紹介します。
「内容」欄には、自分の運営している店の名前や、該当する口コミの情報(ニックネームや投稿日時など)、どの部分がどの規約に違反しているのかなどを書いておきましょう。
上記の方法では削除されなかったり、法的拘束力をもって確実に削除したい場合は、法的手続に従って削除してもらう必要があります。
プロバイダ責任制限法3条1項に基づいて、送信防止措置請求による自主的削除を申請します。
「送信防止措置」とは、これ以上投稿が見られないように措置を施すこと、要するに投稿の削除のことを表します。
基本的には、書面を会社に送付することで申請できます。
こちらも、法律に則っているものの、あくまで「自主的削除」であるため必ずしも削除されるとは限りません。
詳しくは以下のページで紹介していますので、ご参照ください。
仮処分は、本格的な裁判とはまた違い、暫定的な処分(投稿の削除)命令を裁判所に行ってもらう方法です。
裁判でも投稿の削除を命じて貰うことができますが、審理に長期間かかるうえに多額の費用が必要となるため、あまりお勧めしません。
迅速に削除してもらいたいのであれば、仮処分を申請しましょう。
こちらも詳しくは以下のページで解説しています。
口コミを削除してトラブルが解決すればいいですが、相手が悪質だった場合、繰り返し似たような悪い口コミを投稿して嫌がらせをしてくる可能性もあります。
その場合は、投稿者を特定して損害賠償請求をすることも考えられます。
匿名相手を特定するには、「発信者情報開示請求」を行います。
「発信者情報開示請求」とは、サイトの運営者にIPアドレスといった投稿者の情報を提供してもらう制度のことです。
最近の改正により、この制度で相手の電話番号も手に入れることができるようになりました。
その結果、今までより格段に相手を特定するのが簡単になったので、削除だけでは解決しそうにないのであれば弁護士に頼んでみるのも1つの手です。
以上が、EPARKの評判・口コミを削除する方法です。
口コミを削除するにおいて、EPARKへの報告であれば一人でも比較的簡単にできます。
ただ、「それでは削除がされなかった」「法的に対処をしたい」という場合は、一人で裁判手続きを行うには難しいこともあるので、弁護士に一度相談してみてください。