送信防止措置依頼書の書き方【入門編】
プロバイダ責任制限法では、被害者に「送信防止措置請求権」「発信者情報開示請求権」を認めています。誹謗中傷の該当記事を…[続きを読む]
「teacup.レンタル掲示板」は、簡単にネット掲示板を利用することができる便利なサービスの1つです。
ただ、ネット掲示板には、ときにネガティブな投稿がされることがあります。
ネガティブな投稿は、名誉毀損をしたりプライバシーを侵害したりと悪影響を与えるものもあるため、場合によっては早く対処したいものです。
そこで今回は、teacup.掲示板で投稿を削除する方法をご紹介していきます。
「teacup.レンタル掲示板」とは、GMOメディアが運営する誰でも簡単にインターネット掲示板を作ることができるレンタル掲示板サービスのことです。
難しい知識は不要で、3ステップで作成することができます。
そのため、趣味の仲間達と簡単に交流したい、パソコンが不得意、サービスの利用に登録などをするのが面倒…という人にお勧めです。
書き込みだけであれば、登録やログインをせずに利用することもできます。
また、仲間内だけで利用するための非公開掲示板なども、無料で作成することができます。
利用者も多い「teacup.掲示板」ですが、一方で悪質な投稿がされることもあります。
簡単に例を見てみましょう。
趣味が同じ人が集まる掲示板で「○○好きとか犯罪者予備軍じゃん」という誹謗中傷の書き込みがされたり、「ここの店、前に食べたけど髪入ってたし不衛生だよ」というネガティブな書き込みがされてしまうと、自分自身の気分も良くありませんし、経営に影響が出る可能性もあります。
特に、このような投稿が事実無根なのに書かれてしまった場合は、悪影響が及ぶ前に削除したいものです。
氏名や住所などの個人情報が勝手に書かれてしまったり、無断で顔が写っている写真があげられるとプライバシーや肖像権侵害となります。
個人情報が拡散されて悪用されないように、早めに対処することが大切です。
他人のイラストを自分が描いたとして紹介したり、無許可で他人の著作物を投稿することは著作権侵害に当たります。
違法に自分の著作物が使われないようにするためには、このような投稿を削除する必要があります。
それでは、このような書き込みを削除するにはどうすればいいのでしょうか。
ここからは削除方法をご紹介していきます。
他人の投稿を削除したい場合は、①利用規約違反で通報する方法と、②権利侵害を理由に報告する方法の2種類あります。
なお、この記事における「投稿」は各個人が書き込みをした個別の記事のことをいいます。teacupのヘルプページなどでは「記事」という名称で使われているのでご注意ください。
②のとき、「権利が侵害されたとする理由」にどの部分が問題なのか、規約や法令のどの部分に違反しているのかなど具体的に記載するようにしましょう。
場合に応じて被害状況や被害の証拠などを添付すると、削除されやすくなる可能性があります。
【参考】teacup.掲示板・利用規約
もし、自分が他人の権利を侵害してしまうような投稿をしていた場合は、削除するようにしましょう。
このとき、①自分がその掲示板の管理者である場合と、②そうでない場合で方法が変わります。
自分が管理者でない場合は、掲示板下部にある「自分の投稿の編集・削除」を押して削除してください。
なお、この操作は管理者が「投稿者による投稿の削除・編集」を許可している場合にのみ可能になります。
また、削除する投稿は「Cookieを有効にする」設定にしてあるブラウザからの投稿である必要があり、投稿後1年を過ぎた投稿は編集・削除が不可能になるので注意しましょう。
一つ一つの投稿を削除するのではなく、掲示板をまとめて削除したいと思う方もいらっしゃるかもしれません。
自分が管理者である掲示板であれば、掲示板をまるごと削除することが可能です。
有料版のレンタル掲示板を使っている場合は、削除の前に課金の解約申請が必要です。
他人の投稿を削除する場合は、運営に削除申請をするだけであるため、必ずしも削除されるとは限りません。
「上記の方法では削除できなかったけど、どうにかして削除したい」と思う人は、法的に削除する必要があります。
送信防止措置とは、これ以上投稿が見られないように投稿の削除をしてもらうことをいいます。
teacup.掲示板では、先述した「権利侵害を理由に報告する場合」の申請フォームにてこの請求を行うことができますが、書面での請求でも可能です。
ただ、法令違反を理由に削除請求をするだけなので、削除されるかどうかは運営側の判断にかかっています。
そのため、必ずしも削除されるわけではありません。
裁判所で削除の仮処分命令を出してもらう方法もあります。
「仮」とついているように、これは裁判をせずに暫定的に処分を行ってもらう方法です。
訴訟を起こすよりも短期間かつ少ない費用で対処できます。
同じ人がしつこく誹謗中傷の投稿をしてくるなど、投稿の削除だけでなく特定して処罰してほしい場合は、発信者情報開示請求をしましょう。
これは、プロバイダ責任制限法4条1項に基づいて請求することができます。
匿名であっても相手を特定することができますが、時間がかかる可能性が高いことに留意してください。
以上がteacup.レンタル掲示板での投稿を削除する方法でした。
投稿でトラブルが起きた場合は、上記の方法で削除を試してみてください。
また、送信防止措置請求や発信者情報開示請求など、法的に削除を行う場合は一人で対応するには難しいこともあります。
一人ではできなさそうだと感じたら、弁護士に一度相談してみることをお勧めします。